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■活動時期:6月下旬〜7月上旬
■画材:絵の具(2色以上)、画用紙四つ切り
■園長のコメント
■年少が絵の具を2色以上使う活動を昨年度は2学期に行ないました。今年は試験的に1学期から始めました。
■昨年の実践から、子ども達が良く知っている対象物なら、色からの刺激で「形」も捉えられている子が想像以上に多かったです。今回紹介の4作品のうち、2作品は昨年試みなかったもので、形はより単純なものです。
■絵の具を2色以上同時に使う場合、筆は同じ絵の具に返さなくてはなりません。写真のように、絵の具も筆も共用します。この押さえは今後の絵の具活動でも重要です。とてもくすんだ赤になっているのは、緑と赤を同じ筆で描いたためです。

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■対象を心像で捉えて描く際、色も形もシンプルで子ども達の身近な方がぬたくってしまないとの結論は出せそうです。
■なお、年齢に問わず、担任が絵の具を準備する場合、色合いと共に、濃度も重要です。どの程度の濃度が良いかは使用する絵の具によっても違うので、活動前に必ず実施に絵の具を溶いて確認して下さい。
■また、作品毎のコメントはそれぞれに述べます。 |
■テーマ:イチゴ
■活動時期:6月下旬
■画材:絵の具(赤、緑+黄緑、黒)、太筆、細筆(黒)、四つ切り画用紙(うすクリーム)
■導入
壁面製作で「イチゴ」を作ったあと、「皆の作ったイチゴ、お部屋に飾ってあるよね。とっても美味しそうで食べたくなっちゃった。絵に描いて先生に食べさせてくれる?」
■園長のコメント
■このクラスでは壁面制作で立体のイチゴを作っていたので、イチゴをテーマに描いてみました。ところが、製作した経験が予想ほど活かされていないのはなぜでしょうか。
■反省では、(1)筆を同じ色の絵の具に戻すという決まりが子ども達に充分伝わっていなく、色が濁ってしまったことを上げています。
■また、(2)絵の具を1色ずつ時間差で出した方が良かったのではとあります。
■(1)は初めての活動でどの程度徹底させるかは子どもの状態を見て、過度には不要でしょう。
■(2)に関しては、あまり手順にばかり囚われると「描かし方」の方に目が向いてしまいます。現に、黒は後から、「種を意識する子がいたら黒を出す」と予定していたようですが、最初の1枚のように、種の部分を赤で描いている子には、黒はお節介になるのではないでしょうか。 |
■こうして見ると、イチゴの配色は大人の意識とこの年齢の子ども達のものとは違うようにも思えます。
■また、壁面製作で経験しているからの割りには導入の投げかけが少なすぎたかもしれません。「先生、いっぱい食べたいの」とか「イチゴにもお父さんイチゴや赤ちゃんイチゴがあるよ」など、量や大きさへの「想」を伝えたら、どんな作品になるでしょうか?
■3人ほど描き出すのに時間がかかったそうですが、個人的に対応すると描き始めたそうです。描き込んていた子は17分使ったとあります。
■ なお、実際の画用紙はもう少し薄いクリーム色ですが、撮影時に殆ど色が出なかったものもあり、こちらで着色してあります。 |
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

■別のクラスは7月中旬に同じテーマで行ないました。
前回の反省より、黒は子どもから要求があったときのみにしたのと、絵の具が混ざってしまい汚くなったらすぐに新しいものに取り替えたそうです。元の色も前のクラスより鮮やかな色を準備しています。イチゴ本来の色ではなくても、こちらの方が見栄えがします。 |
■まだ塗たくってしまう子も多いようですが、10分以上活動できているし、線で丸を描いてから中を塗り込んでいる子も多いので、昨年よりかなり時期を早めましたが、楽しめたのではないでしょうか?
■この作品群を見ていて、「プチトマト」もいいかなと思いました。意外と好きな子も多いので、1個実物を見せてから描き始めるのも方法でしょう。 |












■ぶどう
■活動時期:6月下旬
■画材:絵の具(紫、黄緑、茶色)、太筆、四つ切り画用紙(白)
■導入
「先生お腹がすいてるの。今日は皆に先生の大好きなブドウを描いて食べさせてくれる?」
■園長のコメント
■パスと薄く溶いた絵の具での活動で、実はブドウをテーマにしたクラスもあったのですが、「房」という概念が殆ど出ていなく、わざわざブドウをテーマにしなくても良いのではと思い、公開しませんでした。
■今回、別のクラスが絵の具で同じテーマに挑戦です。やはり「房」としての固まりはあまり出ていませんが、前回よりも意識できているようです。図形遊びなど、他の活動による概念の成長が見られるほどに活動時期が離れていないので、絵の具の効果と言えるでしょう。
■パスで丸を描いてから色付けする際に、ブドウの色を連想させるパスで描いたとしても、ここまで房にはならなかったでしょう。
■描き出すのに時間がかかった子はいないものの、イチゴほど形にした子の人数は少ないので、絵カードや図鑑などのブドウを一度示して、子ども達がどこかで |
見たことのある実物を頭に浮かべられるようにした方が良かったでしょう。決して見本をずっと見せるのではなく、記憶を甦らせる程度の提示で充分です。
■誰がどこから見てもブドウにしか見えない作品もあります。描き込んだ子は20分もかけたそうです。
担任が丸く切った紙を貼り合わせるだけでは、これだけ個性的な作品は当然ですが並びません。
■なお、枝のつもりで準備した茶色は時間を少しずらしてから出したようですが、これは担任の遊び心程度とて考えましょう。それよりも、黄緑を準備しているのはマスカット系のを描いてくれるかとの期待もあったのでしょうけど、そこまでねらう必要は全くありません。むしろ、紫系を2色出しているのは指導案には書かれていなかったのですが、成功しています。
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■別のクラスは7月中旬に行ないました。
■描き始める前に「房」が理解できるように絵カードを見せました。事前に見た弊害は特にないようです。ただ、繋がっているという表現を「串刺し団子」のように表現している子が多いのは意外でした。 |
■2色の絵の具の色調は前のクラスの方が良いでしょう。現実の色でなくても、子どもがブドウを連想でき、しかも2色の色で遊びたくなるような違いが出せる方が楽しい絵になります。
■先のクラスで枝に使う茶色を教師の遊び心と言いましたが、このクラスの子ども達も紫で描いているので、タイミングを計って準備しても良かったでしょう。
■活動時間:5分〜12分 |












■ぶどう
■活動時期:9月下旬
■画材:絵の具(紫+黒、緑+黒)
■園長のコメント
東京都品川区大井うさぎ幼稚園の実践です。
単色の絵の具や2色の絵の具の使い分けをいろいろされて、当園より遅い9月下旬の実践です。かなり房としてのまとまりが見られる作品が1学期より増えています。ぶどうの時期も9月頃だから、実践時期としては適切と言えるでしょう。また緑の方が作品として、まとまりが出るようです。特に緑を茎に使うようなことはおっしゃっていません。
■活動時間:5分〜20分
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
■ライオン
■活動時期:7月上旬
■画材:絵の具(黄土+茶+黄、茶)、太筆、四つ切り画用紙(白)
■導入
なぞなぞをして「ライオン」を引き出した後、ライオンを知らない人に描いて教えてあげてと投げかけました。
■園長のコメント
■描き出しに戸惑う子は一人もいなかったそうです。
■塗たくってしまった子の報告をもらいました。
・絵を描くより、絵の具を楽しんでいる子が3人。
・描こうとしているが、形にならず、結果的に塗たくりになった子が3人。
・輪郭らしい形をとった後、描いているうちに塗たくってしまった子が4人。
■絵の具を楽しんでいた3人の子も、筆はゆっくりと動かし、丁寧に描いていたらしいので、この時期の筆での活動としては目的を達していると言えるでしょう。 |
■気になるのは描けている子も企業のキャラクターを意識しているらしく、その傾向が強すぎるようならテーマとして避けるべきでしょう。
■報告にもあるように、描き込んでいるうちに塗たくりになった子もいるようなので、「ライオンさんのおめめが見えなくなったね」と言って、黒い絵の具を与えるとまた違った作品になるでしょう。
■活動時間:3分〜20分。最も描き込んでいた子で15分。 |














■このクラスは7月中旬に、先のクラスの改善点に注意して活動しました。
■子どもライオンがお父さんライオンに憧れる絵本を読んでから、「強いライオンの方がカッコいいね。絵本のライオンは出てこられないから描いてくれるかな」と投げかけたためか、キャラクターのライオンは出て来ていません。
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■また塗りつぶした子のために黒い絵の具も準備しました。指導者の反省にもあるように、黒い絵の具は濃度を濃いめにしておかないと、上から描くので滲みがちです。黒を入れると、絵がぐっと引き締まり、描き潰した子ども達もきっと満足したでしょう。
■活動時間:4分〜15分 |













■パンダ
■活動時期:7月上旬
■画材:絵の具(白、黒)、太筆、四つ切り画用紙(藤)
■導入
「パンダって知ってるかな?パンダを書いて先生に教えて!」
■園長のコメント
■担任の反省には、「2色用意したが、一色で描く子が多く、2色を意識して描く子が殆どいなかったので、このテーマは早すぎたのではないか」とありました。
■冒頭でも書いたように、前倒しでの活動ではあります。しかし、この反省は十分ではありません。あまりにも工夫のなさすぎる導入そのものについての反省が書かれてないのです。
■以前は一色の絵の具で顔を描きました。今日は2色を準備したこと。パンダの顔はどんなのか、パンダの |
歌を歌ってからなど、色に注目出来る導入をしたかどうがきっと作品の出来に影響するでしょう。
■意外と塗たくってしまう子が少ないし、動物らしく描いている子も多いので、パンダという「想」そのものにもう少し触れられる導入で是非他のクラスで試みて欲しいものです。何故なら、適切な導入だっかどうかの反省は「想」という概念の理解には不可欠だからです。 |







 
■前回の反省を踏まえて、パンダの色について注目してから描くと、活動時期は2週間ほどしか違わないのに結果にはかなりの差が出ました(実は園長、ドキドキしながらコメントを書いています。的外れのコメントばかりだったら、もう再度の挑戦はしてくれなくなるでしょうから。でも予想以上にパンダになりました。安心)。
■縫いぐるみを見たからと言って、その通りには描けません。でも、パンダの「想」の構築には役立ちます。 |
■前回もそうですが、筆を正しい絵の具容器に戻すのがかなり難しく、すぐに白色がグレーになってしまいます。元の絵の具容器に戻せる工夫が必要でしょう。
■ぬたくったパンダはグレーになっているので、ここでも黒い絵の具で、「パンダさんの目や口が見えなくなったから、これで描こうか」と投げかけるべきだったでしょう。
■なお塗たくった子のうち、4人は最初から塗たくることを楽しんでいて、顔を描いていたがそのうち描き込んでいくうちに塗たくった子が2名だったそうです。
■活動時間:6分〜18分 |












■これは篠路光真幼稚園(札幌市)の年少児が8月中旬からの2学期早々に描いた作品です。
■パンダの絵本を見て、色や形を再認識して描いたそうです。実物は見なくても、パンダは子ども達には人気者なので、いろんなところで見ているのでしょう。絵本などでその記憶を再認識しても決して見本を見せるのとは違います。子どもは幼いほど、そのものの模倣(真似)はできません。できないからより正確な真似を求める立場と、それを各自の解釈と見て表現の広がりの糸口にするのはクリエイティブ・ムーブメントの指導法のひとつとして確立しています。描画でも同じ解釈が可能です。ただし、ずっと見本として子どもが見られるようにするのは絶対にすべきではありません。 |
■色画用紙を子ども達が選べるようにしていますが、私はこの方法に意味を見出せません。出来上がりの配色を予測して色を選択する子など皆無です。好きな色を選ぶだけです。好きな色画用紙を選ぶのが動機付けになると考えるよりも、画用紙の色と絵の具などの色の効果を指導者がしっかりと検討する方が大切だと考えます。
個人的には赤い画用紙が意外と画面を引き締める効果があって気に入りました。
■描き終わったあと(別の日の可能性が高いです)、パンダに好物の笹をあげています。パンダの口元にもいっぱい描いています。子ども達の思いが読み取れます。 |








イチゴ ブドウ ライオン パンダ
  
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