年中になって初めてのパス画4クラス分です。4月の「お母さん」とほぼ同じアプローチです。
 なお、「想いを持って描く」とねらいに書くのは、他の指導案で「楽しむ」と書くのと同じで、蛇足も甚だしいです。想いを持たないで描くなんてできないのは、楽しまない幼児の活動など考えられないのと同じで、私はきつく禁じています。
 同時に、指導のポイントが曖昧になり、結果に対しての指導者の反省が自己満足に陥ります。「塗り込む子は少なかったが、それぞれの想いは表現されていた」では、減塩が必要な高血圧患者に塩分の多い料理を作っても「美味しそうに食べていた」で済ましてしまうのと全く同じです。もちろん、減塩でも患者が美味しく食べられるように工夫するのは料理人の腕です。

 顔を肌色以外で描いている子はまだいますが、色に対する意識付けをいろんな活動で行なうことで徐々に消えていくので心配は不要です。



■テーマ:家族(2クラス)
■活動時期:5月上旬
■画材:パス、四つ切り画用紙(白)
■ねらい:パスの使い方の再確認。
■導入:みんなの家族を先生に教えてね

■園長のコメント

 上記に書いた導入を詳しく書くと、
1のクラスでは「みんなの家には誰がいるのかな?(子どもとのやりとりをした後)先生、まだ皆の家族を知らないから紹介してね」で、
2のクラスでは「先生はお父さんとお母さんと弟と一緒に住んでるよ。皆のお家には誰がいるのか?一緒にご飯を食べたり、遊んだりする家族を描いて教えてね」と微妙に違います。
(2)で「ご飯を食べたり、遊んだりする」と言っているために「想」が広がりすぎています。家族だけに集中できずに状況まで描くべきだと思ってしまうからです。  

 特に年中になっての初めてのパス画で、パスの使い方を再確認するのがねらいなのですから、余計なことは言わない方が賢明でしょう。
 線描だけではなく、しっかりと塗り込むことも再認識のひとつなので、その目的はかなり達成されています。
 描き出しの遅い子はおらず、活動時間は(1)で15分〜25分、(2)で9分〜23分。導入がシンプルな方が長く描いているのも興味深いです。
 

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■テーマ:友達(2クラス)
■活動時期:5月中旬
■画材:パス、四つ切り画用紙(白)
■ねらい:パスの使い方の見直し
■導入:「年中になって新しい友達ができたかな?みんなの友達は?(子どもからの発言を求める)今日は新しい組の友達をたくさん教えてね。

■園長のコメント

 昨年度のこの時期にはパスとコンテで同じテーマを描いています。コンテの使い方は決して悪くはないものの、パスによる塗り込みは今年度と比べると少ないです。
 先日、東京の勉強会で同じテーマで取り組んで下さった園がありました。前日実践を済ませたあるクラスでは、コンテ遊びを別にした後、パスとコンテで友達を描いています。しかし、パスの塗り込みは少なかったです。
 当日、別のクラスの実践を拝見しました。その際、パスの塗り込みをしっかりしている子の絵を皆に見せると、その後、塗り込む子が増えました。
 活動はそれ以降見られなかったのですが、放課後作品を見ると、コンテの使い方がとてもなおざりでした。

 担任の先生の話ではコンテ遊びを殆どしなかったとのことでした。直前の経験もありますが、年少時の経験も問われます。
 ただし、パスでしっかり描くことで十分満足したとしたら、コンテを使う意味も薄れるでしょう。事実、昨年度の活動時間がコンテを使って10分〜40分に対して、(1)のクラスではパスだけで同じ時間持続しています。(2)のクラスで13分〜25分でした。
 パスは線描画だけでは迫力が出ません。しっかりと塗り込む経験を優先させたいです。
 また、塗り込まずにいる子ども達に対しては個別指導も必要ですが、先に書いたように、しっかりと塗り込んでいる作品を認める方法も効果的です。


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