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魚 小人の靴屋 家 |
教育に携わる人間が絶対に心しなければならないのは、「淀みの解消」です。教育の対象である子ども達は生きています。教育環境に淀みが生じると子ども達は酸欠状態になってしまいます。
「淀み」とは、「去年、これだったから、今年もこれ」と、例年同じ内容を繰り返すことです。もちろん、定番の活動はあります。それでも毎年、検証をしないまま、例年通りに行なていると、いつしか「淀み」が生じます。
逆に、「去年、あれでうまくいかなかったから、今年はこれで」と安易に活動内容を変えてしまうのも問題です。ここでも、何故指導者の意図通りに活動できなかったのかの充分な分析が必要です。
描画活動も千里敬愛幼稚園独自の視点でと独り立ちして二年目です。年中児の活動はかなり充実しましたが、それだけで留まらず、より子ども達の能力を引き出し、経験活動の積み重ねになるかを考えながら教員達もいろいろ知恵を絞っています。
今回紹介する2作品も同様に新たに挑戦したものです。問題点もあるものの、年少の項でも話したように、今後に繋がる経験活動としての側面も捉えながら、3年間の幼稚園での描画活動の礎にしたいと考えています。
■テーマ:魚
■活動時期:6月上旬
■画材:墨、絵の具(魚:黄色、ピンク、青、オレンジ 海:水色、エメラルドグリーン(濃度は薄く))、
四つ切り画用紙(白)
■ねらい:墨の線描と多色絵の具での彩色の経験
■導入:園内の海水熱帯魚を見た後、「自分だけの魚を描いてね」と投げかけ、墨での線描。
後日、「この前の魚に色をつけよう」と投げかける。
■園長のコメント
年中児のこの時期の子ども達には一見無理とも思われる細かな作業でした。事実、墨の線描だけの方が生き生きとした魚が多く、実際の作品は雑さが目立ちます。ただし、彩色に要した時間は、短い子でも20分、丁寧な子は40分集中していたのそうです。主任の一人の話では、まだ充分な緻密な彩色は無理でも、このような経験は今後に繋がるとのことだし、今後の経験活動としては充分な成果があったと判断できます。
色遊びに走っているとも取れても、彩色の基本は色遊びなのだからこれは問題ではなく、多色の絵の具を使い分けるとの意識付けには充分役立ちます。
ただし、果たして指導者側の配慮点がなかったのかと、これらの作品を見て、次の2点は考慮すべきではなかったかと考えます。
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1)4色の色調。4色必要だったかどうか。青系(確かに青い大きな魚が水槽にいます)、赤系、オレンジ系に分けて、「どの色の魚を泳がせせたいか」とグループ毎に設定するのも一案だし、2学期から始まる個人絵の具の最初の頃の色遊びとして、もっと自由に子ども達が色を選べるようにしても良かったのではないか?
2)全体を描き終わってから水を塗っていますが、これもかなり高度です。活動の一番最初に「海を作ろう」と投げかけて塗った上から(もちろん乾いてから)墨で描いても良かったのではないか?
しかし、繰り返しますが、子ども達の集中度から見て、彩色(色遊び)の経験活動としてはとても有効でしょう。
■活動時間:線描:10分〜20分、彩色:20分〜40分 |




 









■テーマ:小人の靴屋
■活動時期:6月中旬
■画材:パス(黒)、絵の具(肌色、緑、ピンク、水色、黄色、茶)、四つ切り画用紙(白)
■ねらい:多色絵の具の経験
■導入:小人の靴屋の絵本を途中まで読み、
「小人は自分達よりも大きな人間の靴をどうやって作ったんだろう?」
「みんなだったらどんな靴を作ってもらいたい?」
「みんなで小人に変身して作ってみよう」(実際に大きな道具で作っているところをやってみる)
「じゃあ、今日は小人がみんなの靴を作っているところを描こう」
■園長のコメント
担任からは多色絵の具で「靴」をテーマに取り上げたいと言ってきたので、丁度、そのクラスの壁面で、「人間と小人の世界」を作ったので、それでは「小人の靴屋」というテーマはどうかと提案しました。
結論的に言って、最初のテーマである「靴」が消えてしまったのは「道具」や「作る」ことを導入でしたために、子ども達の「想」が広がりすぎたと考えられます。 |
最初に「靴」を描いてはどうかとの提案もありましたが、教師側が段取りを整えすぎると、○○式の指導法に近付いてしまいます。
小人さんにどんな靴を作ってもらいたいと尋ね、実際に長靴やスニーカーなど、いろんな靴を見せると良かったかもしれません。
線描とは関係なしに塗っている子もいますが、色を考えて丁寧に塗っている子も多くいます。
■活動時間:25分〜70分
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■テーマ:家
■活動時期:7月中旬
■画材:墨、絵の具(赤、黄、黄緑、緑、空)、四つ切り画用紙(白)
■ねらい:多色絵の具の経験
■導入:「この前、絵手紙でみんなの家を描いたよね。どんなのを描いた?」「屋根、窓、ドア、階段!」「そうだよね。他にもトイレやハンガーを沢山描いてくれたお友達もいたよ。他には家の中に何があるかな?皆はどんなお家に住んでいるのかな?描いて教えてね」
■園長のコメント
指導者はもっと家の中も描いてもらいたかったようです。導入からも反省からも伺えます。むしろ、家は概念的に描けるテーマなので、「先生、2階建ての家に住みたいんだけど、描いてくれる?」などの「想」の広げ方をした方が良かったでしょう。
殆どの子が、担任が準備した色を全部使っていて、半ば色遊び的な使い方なので、それなら、準備する絵の具の種類を限定して、パレットでの色作りを入れても良かったでしょう。
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1限目に人物を描く子もいたのだから、肌色も準備しても良かったのではとの反省は正しいでしょう。
丁寧な彩色というねらいは達成できています。
■活動時間
1限目:10分〜25分
2限目:13分〜30分
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