海の魚  魚の住むところ コスモス
(他園の1学期の同系の作品) 幼稚園の木 ライオン トラック


■テーマ:にじ色の魚
■活動時期:9月上旬
■画材:墨、コンテ、画用紙(白)
■ねらい:墨での線描、コンテでの彩色
■導入:
 「にじ色の魚」の絵本を読んだ後、「どんな魚だったかな?」と投げかけ、形やウロコなども思い出せるように言葉を続ける。
■園長のコメント
 東京都東村山市秋津幼稚園の作品です。
 1学期に同じ技法でのテーマに取り組んでいるので、参考にして下さい。
 コンテは寝かして塗った後、手で擦ります。まだ、パスと同じように使っている子もいますが、むしろ、それを効果的に(意図的に)使っている作品もあるのには驚きです。
 細かい部分は指で擦ることも伝えてあり、子ども達も充分に理解しています。これが年長の丁寧な描画に繋がるので、ないがしろな指導をしないのが肝要です。丁寧に塗るのがまだ苦手な子もいるようなので、その場合は強要しないように。
 指導者が何も言わなくても、海藻を描いたりしている子もいます。単に対象物だけではなく、その周囲のことも描き始めるのが年中のこの時期だと言えるでしょう。
■活動時間:線描:15分〜40分 彩色:25分〜60分(翌日も引き続き)










































■テーマ:海の魚(熱帯魚)
■活動時期:9月下旬
■画材:墨、絵の具(赤、青、黄、オレンジ、緑)コンテ、画用紙(白)
■ねらい:墨での線描、絵の具の濃度
■導入:海にはどんな魚がいるかを話し合った後、熱帯魚の写真を提示してから、「いろいろな魚がいるね」と投げかけています。
■園長のコメント
 東京都稲城市梨花幼稚園の作品です。
 先の「にじ色の魚」は絵本の中の魚を描き、こちらは海の熱帯魚です。どちらが良いかどうかではなく、年中のこの時期のバリエーションとして考えてみましょう。
 絵本の「にじ色の魚」は特徴的なウロコが描かれています。子ども達もウロコを意識して描いています。でも、熱帯魚には殆どウロコらしいものがありません。その代わり、絵の具で、しかも水の濃度を自分達で調整するので、偶然の模様も生まれています。
 コンテで広い面を塗るのにも随分慣れてきています。もう、このコンテの手法を取り立てて行なう必要はないでしょう。
■活動時間 線描:15分〜35分  彩色:30分〜50分




































■テーマ:魚の住むところ
■活動時期:10月中旬
■画材:パス(黒)、コンテ、画用紙(白)
■ねらい:コンテの塗り込み
■導入:魚はどこに住んでいるかな?そうだね海や川に住んでいるね。
■園長のコメント
 千葉県市原市市原うさぎ幼稚園の実践です。
 テーマ名は違っていても、前の2作品とほぼ同じです。前作が墨の線描で、これはパスの違いもありますが、一番違のはパスの線描の後、すべてコンテで彩色している点です。コンテの色の制限もされていません。中には色遊び的に好きな色を塗り分けている作品もありますが、コンテの塗り込みという観点からは問題はないでしょう。線描はパスか墨か?パスの場合、どうしても線が細くなり、コンテで消えてしまいそうになるものの、違った味わいが生まれているのも事実です。
 画材を段取りであまり変えずに作品に仕上げる経験も必要です。
 
■活動時間:45分〜60分


























■テーマ:コスモス
■活動時期:10月下旬
■画材:墨、コンテ、画用紙(白)
■ねらい:コンテの混色
■導入:「このお花お名前知ってる?」(本物のコスモスを見せる)「先生の大好きなお花なんだ。ここにはむらさきとピンク色があるね。他にもこんなに色々な色のコスモスがあるよ。」
(インターネットで出した紙を見せる)「コスモスの形をよく見て描いてほしいな。ここには少しのコスモスしかないからたくさん咲いているコスモス畑を描いてね」
■園長のコメント
 東京都稲城市梨花幼稚園の実践です。
 活動時間は線描の速い子でも30分 。コンテでの彩色になると80分も集中していたそうです。コンテでの混色を楽しみ、とても丁寧に塗っている点では実践のねらいは充分に達成できたと言えます。
 ただ、何点か今後のために敢えて申し上げたいことがあります。
1)導入の言葉で不要なものはなかったでしょうか?必要な問いかけが不足していなかったでしょうか?
 「先生の大好きなお花」という言葉で子どもの想は果たして広がったでしょうか?「綺麗なお花だね」で充分でしょう。
 花びらや茎、葉の様子をもう少し伝わるような問いかけは必要だったでしょう。中には懸命に繊細な葉を描こうとしている子もいますが、充分に伝わっていたかどうか。
2)このとき、1本の茎にどれだけの花がついているか、実際に保育室に花を持って来ているのですから、気付けるようにしたいものです。そこまでしても、子ども達がこのように1本の茎に1つの花しか書かないようなら、年中児にはコスモスは難しいと判断しても良いでしょう。
3)この繊細さを描く場合、果たして墨で良かったかどうか。特に葉は殆ど線なので、むしろ緑のパスでの線描の方が良かったかも知れません。
 子どもの絵を読み取るとは、子ども達にとって適切な材料用具、テーマだったかの判断です。子どもの思いは、その集中力や活動時間の長さの中にあるべきだと考えてないと、単に指導者の独りよがりの評価になってしまいがちです。