■うぐいす
 
子どもの成長は本当に早く、楽しいことをしていると時間が経つのも早く、私だけが取り残されてしまうような気持ちで、思わず、「待って!卒園しないで」と何度言ってしまいそうになったことでしょうか。思い出すのは楽しいことばかりなのに、今、涙が止まりません。
 縄跳び大会は、改めて教師の影響力の大きさに反省しました。雨で延期になった分、「やっと出来る!」と、とても楽しみにしていたはずなのに、当日、「よーい…」と、跳ぶ直前の子ども達の顔はものすごく緊張していました。誰よりも私が緊張してしまっていて、皆から見える私の表情が恐ばっていたのでしょう。それが伝わり、正直、「もっと跳べていたのに」との焦りから、プレッシャーを与えてしまったのだと思います。
 運動会で勝つ喜びと、リレー大会で負ける悔しさを学んだ子ども達は、この結果をどう感じたのだろうと部屋に戻ると、「7とう」と書かれた賞状が(よじ登ったであろうことには目をつぶって)、黒板の上に飾ってあったのです。それに気付いた私に微笑んだ皆から、頑張ったから貼ってと言わんばかりの想いが伝わって来ました。そして昼食中、「他のクラスはもっとやったんかなぁ」という一言があり、それぞれが静かに振り返っていました。経験を通し、自分で振り返って考え、自分で、「頑張ったから」と納得出来ている子ども達に、また大きな成長を感じ胸が熱くなりました。
 実は、他のクラスはもう4月から縄跳びについて子どもに伝えていた所もあったようで、私は、「お兄ちゃんが言ってた!」と、後ろ跳びは得点が高いことなど子どもから教えて貰ったという状態で、この差も大きかったはずです。
 発表会でも痛感したといえば、子ども達の乗み込みの早さに、私の準備が追いつかなかった点です。子ども達のやる気も時間もあるのに、私の考えがまとまらず、手探りのように進めていったこともありました。何度、「ごめんね」と言ったことでしょうか。
 力のある子ども達を目の前に、もっと違うやり方があったのでは、もっと早く伝えてあげていればと、一年を通し、終わってから思うことの方が多かったです。それでも子ども達は、毎日本当に楽しそうに来て思い切り遊び、京都参拝では自意識過剰になってしまうほど、私を見付けると大喜びで側に来て、女の子は抱き付いてくれ、男の子は体当たりしながら、先生大好きとの想いが伝わっていました。
 私も、この子ども達と一緒に入園し、3年間、共に過ごして来ました。何をするにも初めてで戸惑ってばかりでしたが、その分、子ども達と同じ気持ちで新しい発見や感動を味わえたことは間違いありません。この時期にどの程度出来るというのが経験で知らない分、出来るようになったときの感激は相当なものでした。本当に、「赤ちゃんや!」と言われながら何度泣いたことでしょうか。情けないことなのですが、教師と子どもではなく、私も1人の友達でした。沢山相談し、一緒に悩み、「先生、大丈夫やって」と励まされ支え合いながら、ひたすら夢中で乗り込えて来ました。だからこそ、私も含め39人の大きな絆となり、一緒に成長出来たのではないでしょうか。 すべて、子ども達のおかげです。
 子どもにとって何が正しいかは分かりません。でも、子ども達が、「楽しかった!」と笑ってくれているのなら、私はもう泣きません。何でも楽しさに変えてしまう力を持ったうぐいす組の担任になれ、本当に幸せでした。そして誇りに思います。
 お母さん方、ずっと温かく見守って下さり、本当にありがとうございました。うぐいす組、大好きです!          


■ぺんぎん
 春の風がそろそろ見付けて欲しそうに、梅の木や桜の木を色付かせています。もう気付かない振りなど出来ません。春の風が、「別れ」を一緒に運んで来てしまいました。
 「淋しい…」この言葉だけでは表せないくらいに、複雑に絡み合った感情が、私を襲います。そう感じさせるのは、皆が何よりも大きな存在だからです。
 そんな皆と今月も、1つ1つ行事を迎えらました。
 お別れ遠足では、沢山の乗り物を前に、目を丸くしながら、「すごーい!」と大きな歓声を上げていました。「これ、めっちゃ怖そうやな」「これは、大人しか乗れへんやつやな」「あっ!観覧車だ!いいなぁ」と目的地の乗り場へ向かいながら、口々に話していました。今回は見るだけだった乗り物も、またいつか、皆で一緒に乗れるといいね。
 目的地のジェットコースターに着くと、一瞬、皆の動きが止まりました。
 「えっ!いきなり乗るの?」「ちょっと持って!心の準備が…」そう言いながら、一呼吸して乗り込みました。
 「ヒャ〜!」皆の叫び声を乗せ、勢い良く走り出しました。中には両手を挙げて、「イエーイ!!」と叫ぶ余裕の姿もありました。走行中、大笑いしながら、待っている人に手を振っていた子も、しっかり前の手擦りを握りしめ、ずっと下を向いていた子も、乗り終えた表情は、大満足の笑顔です。ここでもまた1つ、自信を付けた皆でした。
 縄跳び大会では、大健闘の3位でした。毎日必ず、「縄跳びしてくるわ」と園庭へ向かう皆の背中は、日を重ねる毎に大きく見え、力強く感じられました。当日は、いつも失敗していた秒数がクリア出来たり、今までで一番多い回数を跳べたりと、幾つものドラマを見せてくれました。それと同時に、いつもの本調子が出ずに、悔しい想いをした子もいました。それでも、気持ちは誰にも負けていなかったと自信を持って言えます。結果は3位でも、皆の心には1番大きなトロフィーが輝いて見えました。
 そして最後の大きなイベントの京都参拝では、迫力のある大きな寺やみ仏様に圧倒されたり、動物園での動物や乗り物に大興奮し大はしゃぎしたりと、忘れられない一日となったことでしょう。
 「先生、大丈夫?」「しんどくない?」「無理しないでね」と沢山のお母さん方から、優しい言葉を掛けていただき、私にとっても、一生忘れられない温かな一日となりました。
 振り返れば、本当に駆け足で過ぎていった一年でした。可愛い笑顔に初めて出逢えた始業式も、「梅干し!」のおまじないを素直に信じ、大合唱した天王寺遠足も、皆の心を虜にした虫取りも、お腹空いたことも忘れるくらいに夢中になった造形遊びも、あの大きな感動を届けてくれたリレー大会も、そして、小さな体に無限のパワーを感じさせられた発表会も、全てがこれからも皆の心に強く残り続けることを信じています。時には、本気でぶつかり合い、喧嘩をした子ども達でしたが、次の瞬間にはいつも必ず笑顔になり、笑い合う姿がありました。そんな皆がいたぺんぎんの部屋は、太陽の日射しのようにいつも温かく、柔らかな空気が流れていました。
 そんな空気に包まれながら、この一年を共に過ごせ、本当に幸せでした。「皆、沢山の幸せをどうもありがとう!!」
 そして、子ども達に負けないくらいの、優しい笑顔で、いつも支えて下さったお父さん、お母さん、本当にありがとうございました!!         


■はと
 3月に入り、ぞう組の前にある梅の木にはしっかりと小さな花が咲き、春の訪れを感じています。子ども達も、「今日机買いに行くの」「ランドセルの色は○色!」と笑顔一杯、目を輝かせて小学校の話をしています。その笑顔から小学校への期待が膨らんでいる様子が伝わり、嬉しい反面、もうすぐやって来る別れを実感し、寂しさも日毎に増すばかりです。
 3月は、子ども達が楽しみにしていたエキスポランドへのお別れ遠足や京都参拝、そして、忘れられない縄跳び大会がありました。
 リレー大会が終わった後の、子ども達から自然と始まった話し合いは、今でも昨日のことのように思い出されます。
 「悔しい…」と始まった話し合い、その悔しさを縄跳び大会にぶつけようと、子ども達は、毎日、取り組んでいました。
 縄跳び大会の前日に、「○○くん跳べたよ」と自分のことのように喜び、私やみんなに報告する子ども達の姿は、とても輝いていました。
 「最後まで諦めない」「出来る」と声を掛け合った縄跳び大会の当日は、寒さと緊張から思い通りにいかない子もいましたが、みんな力を抜くことなく、前を向いて跳び、力強い姿を見せてくれました。結果は4等で、悔し涙を見せる子もいましたが、これまでみんなが築いてきた想いや、前向きな姿を大切にして、これからも持ち続けてほしいと思います。
 数々の大会でのお母さん方からの温かい声援は、今でもはっきり目に浮かびます。本当にありがとうございました。
 思い返せば、はと組の黄色い名札を胸に付けた4月から一年が経つのですね。年長さんになったとは言っても、まだ幼さの残る子ども達でした。
 お泊まり保育では、体調の悪い友達を気遣い、心配するみんなの姿は、今でも忘れられません。どんなときでも、「休んでいる友達の分も!」と思いやりのあるクラスでした。
 運動会では、思い切り走る力強さと共に、負けても悔しさを力にして、何度も挑戦する粘り強さを見せてくれました。
 虫が大好きな子ども達は、遠足に行くたびに、目を輝かせて虫を探し、虫籠は一年間使っていました。
 そして、子ども達と共に作った発表会は、お母さん方に見せた後も続きました。
 この一年、沢山遊んで、笑って、ときには涙したけれど、子ども達と過ごした日々は、本当に楽しかったです。一年間、いつも温かい言葉や力強い拍手で見守って下さり、本当にありがとうございました。
 最後に、卒園式で元気一杯、大きな返事をする子ども達を見守っていて下さい。


■かもめ
 昨年、雨に悩まされ続け、もう平気だろうと甘いことを考えていた縄跳び大会、ジンクスは、かき消されることなく延期になってしまいました。その日の朝は、「中止やろ」と、慣れた表情で言ったかと思うと、「もう少し上手くなれるわ!」といった、プラスな発言もあり嬉しかったです。
 延期となった8日の朝は、見事な晴天に恵まれ、子ども達の表情は輝いて見えました。前回行なったとき以上に、跳び続ける皆の姿に、これは何かが起きるかなと思いました。結果は6位でしたが、今まで15個、16個と、結果が伸び悩んでいたのにも関わらず、23個という結果を出した子ども達には、本当に驚かされました。
 部屋に戻ると、今までになかった会話がされていました。
 「何で、1位とられへんのやろ?」「やっぱり、1位がいいよ!」など、悔しさや、行き場のない思いに悩んでいました。すると、「1位がいいけど、100パーセントで頑張ったもん!」との声があがりました。その声に続き、「そうや!そうや!」「オレも力出したで!」と、皆が続いたのでした。涙が溢れそうになりました。あきらめず、力を出しきることが大切だと、自ら気付いた子ども達は、とっても輝いていました。悔しさのあまり、うつ向いていた子も、表情が輝きに変わっていました。最後まで、素敵な姿を見せてくれた子ども達に、大切なことを教えてもらいました。本当にありがとう。
 部屋では、卒園式に向けて、その隊型に座ったり、名前を呼んだりと、卒園を感じずにはいられなくなりました。
 「先生は、本番はピアノの所から呼ぶから、大きな返事を聞かせてね」と言うと、「廊下から呼んでみて」と言われたことがありました。「そんなこと言って、聞こえるかな?」と投げ返すと、何とも言えない大きな返事を聞かせてくれたのでした。他のクラスへの迷惑を考え、部屋の隅に移りましたが、聞こえるようにと元気一杯に答えてくれる姿には感激しました。当日は、そんな皆に負けないように、名前を呼びたいと思います。
 振り返れば、進級当初、黒板前に集まり、歌に合わせ踊っていたおちゃめな姿も、今では頼もしさで溢れ、立派な顔つきをするようになりました。
 リレーの結果が伸びず、皆で何が足りないか話し合ったことや、お客さんを楽しませようと、見ている人の立場にもなった発表会など、体だけじゃなく、心の大きな成長を見せてくれました。その度に、私も教えられ、気付かされてきたなと感じています。1等を目指すことが1番なのではなく、その前に大切なことがあることに、皆自身が気付けたのだと思います。あきらめないで、全力で挑戦する大切さに、私自身も気付かされた1年間でした。
 2回も行けた、楽しさ2倍の天王寺動物園や、花火に感激する皆の表情に、純粋さを感じ、なかなか寝つかない姿にびっくりした、お泊まり保育など、書ききれないほどの思い出が心に残っています。
 皆と過ごせたこの貴重な時間は、他の人には味わえない、私だけの宝物だと思っています。1年間、本当にありがとうございました。


■つばめ
 「先生見て!すごい綺麗だよ」「春だね」
 お別れ遠足からの帰り、園庭に咲き誇っている梅の花に気付いた子ども達が、春の訪れを教えてくれたのです。3学期に入り、小学校への期待が更に膨らんでいる子ども達は、ランドセルや勉強机の話題が尽きませんでした。ついに子ども達とお別れの季節がやってきたのかと思うと、複雑な気持ちで胸が一杯の毎日でした。
 恒例の行事が次々と幕を閉じ、待ちに待ったお別れ遠足では、皆の笑顔がいつも以上に輝いていました。
 「ジェットコースター乗ったことあるから恐くないで!」と、強がっていた子も、いざ乗ると、緊張の表情で、シートベルトもしていないまま、バーを握りしめていたので、思わず笑ってしまいました。恐る恐るのスタートでしたが、あっという間に終わりました。そこから降りる姿はとても清々しく、「面白かったぁ!」「全然恐くなかった」と、満面の笑みを見せてくれました。
 そして弁当の時間、お菓子の交換も楽しみの一つでした。私の前にも、「どうぞ」と、ラムネやグミが一粒ずつ置かれていきました。子ども達の大切な一粒を噛み締め、卒園まで残り僅かという複雑な気持ちを堪えていると、それが伝わったのでしょうか、側にいた子が、「お別れ遠足って楽しいけど楽しくないかも。だって終わったらお別れってことだもん」と寂しそうに粒やいたのです。卒園が近付き、子ども達も同じ気持ちを持っているのだと、切なくなってしまいました。でも、寂しいばかりじゃないよ、楽しいことが待ってるから、それまで幼稚園で一杯楽しんで、思い出作ろうね!と自分にも言い聞かせ、園に戻ったのでした。
 いつも最下位だった縄跳び大会は、雨で順延になり、「まだ出来る!ラッキー!」と、家に縄跳びを持ち帰り、ギリギリまで回数を増やそうとやる気を取り戻しました。そして迎えた当日、60秒クリアは1人2人だったはずなのに、6人も7人もクリアしているのです!いつも困らせてくれた雨に、この時ばかりは感謝しました。子ども達も、「勝てそう!」と、更にやる気満々です。私も驚きました。結果は5等でしたが、あと1点で3位決定戦という素晴らしい結果でした。今まで187点が最高でした。しかしそれを50点も上回る246点に感動しました。自分達の全てを出したはずなのに…と、悔し涙を流す子もいましが、結果発表の後、「先生は負けたと思ってないよ。7クラスの中では1等になれなかったけど皆は最後まで諦めなかったから、点数があんなに増えたんだよ!だから胸を張って5等の賞状もらおうね」と話すと、「1等じゃなくてもいいねん。前よりすごいもん!」「トロフィー欲しかったけど、皆が頑張ったから楽しかった」と、子ども達の心にまた新たな感情が芽生えていました。
 4月の出会いから、1年が経とうとしています。私が初めて担任した年少の子ども達がいつの間にか追いつけないほどの成長を見せてくれました。何度も何度も、皆の言葉に支えられ、助けられました。子ども達の沢山の笑顔と成長に、毎日携われたことの素晴らしさを改めて感じます。数え切れない思い出全てが宝物です。
 最後になりましたが、いつも温かく見守って下さり、本当にありがとうございました。つばめ組さん、優しい心を持つクラスでした。ずっとずっと、皆のことが大好きです。皆の先生になれて幸せです。本当にありがとう!!
 「大きな 心を いつまでも!」


■あひる
 三学期に入り、幼稚園の夢を見ることが多くなりました。新しいクラスになりみんなが可愛くて仕方がなかった一学期、休みの日まで頭はあひる組のことを考えていた二学期、そして三学期は、それだけでも足りなかったようです。可愛い笑顔は夢にまで出てきてくれました。それだけで目覚めた朝は、とても気持ちがよく幸せな気分でした。
 この原稿を書く前、一度真っ白な心に戻り、ゆっくりと4月からを振り返ってみました。
 始業式はとても気持ちよく晴れて、太陽までもが新しい出会い、そしてこれから待っているだろう数々の素晴らしい出来事を予感し、喜んでくれているようでした。
 少し緊張したみんなの顔を今でもはっきりと覚えています。
 普段から仲良しのあひる組の絆が、一層深まったのは運動会と、それを経てのリレー大会でした。
 私が何より嬉しかったのは、一人一人の心の成長でした。みんなの言葉や想いに私の方が励まされ、勇気をもらいました。いつもは無邪気で可愛くて元気なみんなの、熱い気持ちと真剣な表情を見れた瞬間でした。
 5月にリレーをしたときは、4クラス中4位だったけど、決して最後まで諦めない心と、仲間を信じ心を一つにすることを、自分達で考え学び取ったのです。
 36人全員の力が集まると、とてつもない、何にも負けない力が生まれることを見せつけてくれました。日常にも沢山忘れられない出来事がありました。
 冬のある日でした。昼食が終わり、私が給食室で洗いものをしているときです。ふと、「あひる組何かあったの?」と、他の教師から聞かれ何のことかさっぱり分からない私の目に飛び込んできたのは、みんなが私を探し回っている姿でした。見ると、「先生ー!」と、大きい声で呼んでくれています。慌ててみんなの所へ行くと、「講堂も事務所も、他のクラスも探したよ」、「どっか行っちゃったと思ったよ」と、口々に責められました。冬の寒い日に心を温めてくれた事件でした。
 あひる組は私にとって、本当に大きな存在で、一番の宝物です。その想いの大きさを上手く子ども達に伝えられたか不安です。
 私がこれほどまで、子ども達を愛しく思えたのはいつもその後ろから見守り、支えて下さったお母さん、お父さん方がいて下さったからだと思っています。至らない私を応援して下さり、みんなを園へ通わせて下さり、そして何より私と子ども達を出会わせて下さり、本当に感謝しています。ありがとうございました。子ども達と共に過ごせた喜び、共に成長出来た感動、共に泣き笑った思い出が、全て今私の力になっています。上手く言葉では表せませんが、確実に私の心にあり、一生消えることはないでしょう。
 今後、みんながもし大きな壁にぶつかったとしても、絶対に大丈夫だと確信しています。なぜなら、6歳の小さな体にも果てしない可能性と、人を思いやれる心、最後までやり通す力がありました。きっと素晴らしい未来がみんなには待っているんでしょうね。みんなの成長と活躍を祈り、期待しています。
 最後になりましたがあひる組のみんなは私の自慢で誇りです。自信を持ってかっこいい人になってね。そして辛くなったときは、信じ合って心を一つにした友達が沢山いたことを思い出して下さい。私もずっとみんなの味方だよ。心から応援しています。
 大好きなあひる組、沢山の笑顔と思い出、幸せをありがとう。離れてもずっと心は一つだよ。本当にありがとう。      


■かなりや
 給食に焼きソバが出た日、鏡の前に立っては、歯に付いた青のりに向かって、そっちじゃない、右だ左だと言い合う姿がありました。
 最後の身長と体重を計った日、揺れる針とにらめっこをしては、勝った負けた、強いだ弱いだと言い合う姿がありました。
 そんな些細な面白エピソードも、今は寂しさを募らせるばかりです。
 その寂しさを振り払うかのように、話し合いが持たれました。「かなりや小学校建設計画」です。誰が言い出したか分からないくらい、ごく自然に始まりました。そして、これまで沢山の話し合いを経てきた子ども達の進め具合は大したものでした。
 「ランドセルはどこに置く?」「コーナーのフックをずらして付けたら入るんちゃう?」「机どうする?」「今のままでいける!」「保健室は?」「事務所でいいやん」「きりん組には悪いけど、トイレはそのまま使わせてもらおう」「何かいる物あったら作ったらいいねん」「3年間、造形やっててよかったなぁ」
 建設計画とは名ばかりで、意外にも小学校は簡単にできてしまうと気が付いた子ども達がぶち当たった問題がありました。
 「先生って、小学校の先生できんの?」
 この声で一気に私に視線が集まりました。急に話を振られキョトンとしていると、子ども達の表情が見る見る変わっていきました。順調だった話し合いの腰を折られ、楽しい時間と希望を失ったショックで、ガックリと肩を落とす姿は何かに似ていました。野獣です。(美女はこの私?!スミマセン…)
 かなりや小学校に私を入れてくれたことが純粋に嬉しくて、私もわざと切ない顔を作り、たっぷりの間をとって言いました。
 「小学校の先生の免許、持ってまーす!」「…」「また騙したなぁ!」
 子ども達にボコボコにされながら、ベルが野獣に「行かないで」とすがったように、私も、子ども達とこの時間にすがりたい想いで一杯でした。(やっぱり美女はこの私?!)後悔しないために、今できることはやる!と皆で励まし合い共に過ごした一年間、それにもうすぐ終わりがやってきます。どの活動をするにも、「今日で最後?」の言葉が聞かれ、必ずしんみりtimeが訪れます。そんな子ども達に、後悔しないためにと、どんな言葉を掛けたらいいのか悩みます。しかし、「楽しく過ごそう」と皆で話し合っても、「寂しさが勝っちゃう」ときもあるのです。そこに後悔はないのです。だから子ども達に任せよう。どんな卒園式にしてくれるのか、楽しみにしよう。それがこの一年の答えです。

 




■りす
 
早いもので、このぱぴぷぺぽも最後になってしまいました。4月に始業式をしてから、もう一年が過ぎてしまったのですね。
 お菓子で通園カバンを一杯にしながら出発したお別れ遠足は、天気にも恵まれ、エキスポランドの入り口を入った瞬間、目に飛び込んでくる乗り物に、皆の顔は晴れ晴れとし、私も嬉しくなりました。
 「あれに乗るよ!」とオロチを指さした瞬間、「無理だよ」と皆の顔が引きつってしまい、思わず笑ってしまいました。ごめんね。
 早速園内周遊のモノレールに乗ると、「わぁー、これすごく面白い」「色んな物が見えるね。手を振ってみよう」となかなかの評判でした。
 メリーゴーランドでは、大きい馬も何のその、「先生!」と大きく手を振るほどの余裕もありました。
 コーヒーカップに乗ると、意外におとなしかったので、「ハンドルを回したらもっと早く回るんだよ」とつい言ってしまい、「本当だ」「回して、回して」と、あちらこちらで大回転したので、降りるころには皆フラフラになってしまいました。
 一杯遊んだ皆は、「また一緒に行けたらいいね」と話していました。
 今まで一緒に遊んでくれたお礼に、皆で動物変身ペンダントを作り、ぺんぎん組を招待してお別れ会をしました。ペンダントを首に掛けてあげると、ぺんぎん組からもプレゼントがあるので目を閉じるように言われました。しかし、何をもらえるのか気になって少し目を開けていると、「駄目だよ。ちゃんと目をつぶっててね」と言われている子もいました。「もういいよ」の声にそっと目を開けると、手の上には動物のパクパク人形が置かれていました。
 「先生見て。僕のはすごくベロが長いよ」「私のはウサギだ」と早速遊んでいました。
 一年間、皆の想いが沢山描かれた絵手紙を挟んでいるファイルの表紙を作りました。
 「自分の顔を描こう」と伝えると、「ちょっと鏡みてもいい?」「私、リボンも描きたいんだけどいいかな」など想いを持って描いていました。
 「このファイルを早く持って帰りたいな」「お母さん達に見せてあげたいな」と話していました。
 あっという間に過ぎてしまったような日々を振り返ると、いろいろな行事がありました。先日、子ども達に尋ねてみると、「僕は運動会が一番楽しかったな」「私は最後の遠足かな。でも段ボール箱で遊んだのも楽しかったよ」
 他にはプール・芋掘り・誕生会など色んな声が聞こえてきました。
 「でも、一番良かったのは友達が沢山出来たことだよ。」「そうだよね。りす組で楽しかったよ。皆と一緒に大きい組になりたいわ」と話してくれました。「皆すごく優しかったな」「物がないとき一緒に探してくれたり、泣いてたらすぐに来てくれたもんな」と次々に話し、最後に、「先生寂しくなるなぁ。僕らがいなくなったら、りす組に1人ぼっちやん」との言葉に涙が出そうでしたが、すぐに、「でも大丈夫やろ、一人でも。だって先生は大人やから強いって」「本間やな。大丈夫やわ」と大爆笑でした。
 数え切れないほどの素敵な思い出が出来ましたが、何と言っても、大好きな皆が元気に登園し、「おはよう」と挨拶してくれたことと、とびっきりの笑顔に勝るものはありませんでした。私のパワーの源でした。いつまでも、笑顔の素敵な皆でいて下さい。子ども達との思い出は忘れません。1年間、ありがとうございました。


■ぞう
「大好きぞう組と、あと15にち」
 終了式までのカウントダウンが黒板の端で始まりました。別れの実感はこの頃まだありませんでした。進級を期待する気持ちの方が強く、目を輝かせて、「何組になりたい?」と言い合う姿がよく見られていました。
 「あと6にち」で行ったエキスポ遠足も、皆の笑顔が溢れ、最高に楽しい一日でした。
 乗り物は、出発前に、「怖いから乗らない」と宣言していた子もいたのですが、「皆と一緒だから大丈夫」と言って自ら乗りに行け、無事に全員が全ての乗り物に乗れました。
 「お母さんに聞こえるように」と、空に向かって、「いただきます!」と挨拶して食べた弁当と、大好きな友達と交換することでいつもよりずっと美味しく感じたお菓子でお腹を一杯にし、楽しかった思い出で心も一杯になって帰りました。
 帰りのバスで、終了式までの日数の話になっても、「あと6回やろ〜」「もう年長になるんやなぁ!」と相変わらず別れを悲しむ姿はそこにはありませんでした。
 「あと5日」
 エキスポ遠足の翌日、皆の様子が変わりました。別れの実感が急に湧いてきたのでしょうか、何か活動を始めようとすると、「これやるのもう最後?」と聞かれたり、「何組になりたいですか?」と当番発表で尋ねると、「どれもなりたくない」と答えるのです。「ずっとぞう組が良い」と涙を流す子までいました。私は嬉しいような辛いような複雑な気持ちでした。
 そこで、クラスが離れ離れになるのは寂しいけれど、皆が成長するのはとても嬉しく素晴らしいことだ、という話をしました。皆は真剣な顔で、私の話に小刻みに、でも深く頷きながら聞いてくれました。そして時間は限られているものだから大切にしよう、という話もしました。
 「あと4日」からは再び皆の飛びきりの笑顔が戻り、別れに対しても、「もしクラスが違っても幼稚園で会えるし、心は一つだから大丈夫!」と前向きに考えるようになりました。これは一人一人の心が強くなったことと、ぞう組の絆が固いことの両方を表していると思います。
 皆と食べる最後の弁当を、泣き虫の担任が泣きながら食べていると、さっきの言葉を優しく微笑んで言ってくれました。一年で本当に頼もしくなったなとまた涙が出ました。
 息を止め、手を震わせながら一人ずつの名札を書いた始業式前日、名前を書きながらどんな子だろう、どんなクラスになるだろうと期待と緊張で胸が一杯になったのを昨日のことのように覚えています。
 塗たくり遊び、プール、遠足など、どの行事もとにかく元気一杯で、よく他のクラスのお母さんからも誉めて(?)もらいました。
 運動会、発表会もぞう組らしく、エンジンがかかるのは遅かったけれど心を一つに、皆で力一杯取り組みました。
 勿論、輝いた毎日の中で、皆も悩んだり傷付いたり、小さな心には色んな思いがあったと思います。でも、私を含めぞう組はどんなときも一人ではありませんでした。困っている子や泣いている子の横には必ず優しく駆けよる姿がありました。私も皆のその優しさに、この一年数えられない程助けられました。退園してしまった2人の友達も含め、ぞう組40人の心はずっとずっと一緒です!
 最後になりましたが、こんな私をいつも温かい目で見て下さり優しく支えて下さったお母さん方に心から感謝しています。本当に私は世界で一番幸せな担任でした! 


■くま
 日に日に暖かくなり、春の訪れを感じると同時に、くま組の終わりが近付いて寂しく感じる毎日です。
 お別れ遠足の一週間前辺りから、第2の欠席ラッシュが到来していました。しかも、今回の風邪は意地悪でした。皆の熱をなかなか下げてくれません。前日になってもまだ欠席者は減らなかったので、帰り際皆で、御み仏様に、「全員揃って遠足に行けますように」とお願いしました。
 み仏様は、皆の願いを叶えてくれました!全員揃ったときは、本当に嬉しかったです。
 今回の遠足はいつもと違い、「お菓子」を持って来ているので朝から皆、「ハイチュウ持って来たで」「俺も、いっぱい持って来たで!」と自慢し合う姿がとても可愛かったです。
 エキスポランドに到着すると、「どれから乗るん?」「ジェットコースター乗りたい!」と強気な一言も聞かせてくれました。でも、ゴォォォーというジェットコースターの音に少し驚く姿も見られ、可愛さの余り、少し笑ってしまいました。
 どの乗り物も皆の笑顔が沢山見られ、私もとても楽しかったです。初めて全員揃って撮った集合写真は、私の宝物です。ジェットコースターは来年の楽しみにとっておこうね!
 最近、当番発表で、「くま組で一番楽しかったことは何ですか?」と聞いています。一番多いのは、「発表会」です。今でも、「発表会したい!」と言ってくれ、嬉しい毎日です。発表会をしない日は、「今日発表会してないのにもう帰るん?」とまで言ってくれるほどです。
 ある日、「くま組皆で出来る発表会あと何回なん?」と聞かれました。言葉に詰まってしまいます。そんなことを考えているのだと驚くと同時に寂しさが込み上げてきます。
 「くま組終わるの嫌や」「ずっとくま組がいい」など切なくなってしまう言葉を耳にする日が増えました。
 「先生も、皆が大きくなるのは嬉しいけど、終わっちゃうのは寂しい」と言うと、「大きくなりたくない」の声も上がり、皆くま組が大好きなんだと伝わり涙が出そうになりました。
 「でも、幼稚園でまた会えるやん!」と寂しさを紛らわす言葉も上がり、そんな姿を見て微笑ましかったです。今は、残りの日々を楽しく過ごそうと心を一つにして、過ごしています。
 本当にあっという間の一年でした。
 始業式の日、まだ幼なさの残る可愛らしい皆と過ごす一年に大きな期待を抱きました。
 運動会では、一つ一つの競技に真剣な眼差しを向ける姿は本当に素敵でした。
 造形活動では、皆の凝ったアイディアに驚かされました。
 皆の心が一つになった発表会では、皆の表現の豊かさに感動をもらいました。どんな活動も、伸び伸びと楽しんでくれた皆の姿は、私の胸に焼き付いています。
 大きな成長を遂げられた貴重なこの一年、皆と一緒に過ごし、共に成長出来ました。こんなに幸せな気持ちになれるのは、きっと皆の笑顔がずっと傍にあったからです。くま組になってくれてありがとう!
 最後になりましたが、どんなときも本当に温かく見守って下さり、ありがとうございました。


■きりん
 きりん組で過ごせる日々が残り僅かとなり、「あと○日!」とカウントダウンが始まっています。降園前に、「もうあと○日だよ」と伝えると、毎日、「えー!早い」、「もっときりんでいいのに」と返ってきます。私も同じ気持ちで、毎日胸が一杯になってしまいます。
 そんなある日、最後のお別れ遠足がやってきました。皆で行ける最後の遠足だと少し感傷ぎみな担任の前で、「持って来たお菓子見せてあげようか?」、「僕なんか3つもあるんやで!」とお菓子の話で持ちきりです。そんなところも、きりん組らしくて微笑ましく、温かい気持ちになりました。
 エキスポランドに到着すると、子ども達のテンションは最高潮で、ジェットコースターが上を通ると、「おお〜!!」と歓声を上げて喜んでいました。
 おろちランドという広場に着くと、お母さんの弁当を見せ合って、美味しそうに食べていました。そのときの、幸せ一杯の顔を見せてあげたいぐらいです。きっと、弁当に詰まっているお母さんの愛を感じているからでしょう。
 園に帰って来て、「どれが1番楽しかった?」と尋ねました。ティーカップを予想していたのですが、「ご飯とお菓子食べた後の遊具で遊んだこと」という意外な答えが1番多い様子でした。実は、滑りやすい坂を登るといった遊具があり、「さぁ、ここよ!」と手を差しのべたり、「落ちます」と宣言して滑ったりとユニークな遊びに発展していました。中でも、私にそっと近付き、数人がかりで滑り落とすのが楽しかったようです。滑り落ちた私を坂の上から見下ろし、嬉しそうに友達同士顔を見合わせて満面の笑顔です。本当に可愛いらしく、もう1度見たくて何度も坂を駆け上がり、筋肉痛になってしまいました。
 ある日、「大きい組になったら何組になりたい?」と尋ねました。
 「コーナーが変わってるから『はと』!」というよく観察した意見に、「バスが近いから1階のクラスがいい」と堅実的な意見、「可愛い鳥のうぐいす」など様々な答えが返ってきました。
 1番人気は「かなりや」です。今年1年間隣のクラスで愛着が生まれたのかと予想してどうしてか尋ねると、「違うよ!」と予想外の答えが返ってきました。「かなりやは、きりんの横通るやん。そしたら、通るときに中ぐらい組の頃のこと思い出せるし、忘れないから!」だそうです。皆も頷いていました。この言葉には、皆への大好きな気持ちが沢山詰まっています。私も目頭が熱くなりました。この日から、クラスの大半がかなりや組希望です。
 1年間、温かく見守って下さり、本当にありがとうございました。最近、小さなマジックさんが誕生してきています。少しタネがばれつつあります。楽しくて、元気なクラスでした。何より友達同士で素晴らしい団結を見せてくれました。最後にこの言葉を贈ります。


■ぱんだ
 年長の卒園式が終わりました。1人では何も出来なかった子ども達が、成長し、自分の名前を呼ばれて、「はい!!」と立派に立つ姿は、本当に素晴らしいです。次は、いよいよ皆の番です。少し心配のような、早く見たいような。きっとまた次の1年で大きく成長するのでしょうね。
 ぱんだ組も、あっという間に終わってしまいました。1年間を振り返ると、私より子ども達の成長の方が速く、子ども達に沢山のことを教わりました。
 最後の弁当の日は屋上で食べることにしました。
 「ぱんだ組でご飯食べるのもこれで最後だね」と言うと、「また来たらいいやん!」「次はいつ食べれるの?」とまだ別れを実感していないようでとても複雑でした。
 食べていると、いきなり強い風が吹き、1人の子のハンカチが飛ばされて、屋上から園庭へと、ひらひらと落ちていってしまいました。途端に、皆が、「あー!!」と屋上から下を覗き、1人の子が、「あった!取ってくる!」と走り出すと、皆が弁当を放り出して、「私も!俺も!」と掛け出して行ったので、慌てて止めました。1人の子のために、皆が助けようとする、そんな皆が好きです。
 二学期にも、同じようなことがありました。
 外で体操をしようとすると、1人の子が上靴のままで来ていたので、「誰か一緒に行って変えて来てあげて」と言うと、「はーい!!」と全員がぱんだ組に走って行き、私1人園庭に取り残されてしまい、ずっと見ていると、「換えて来たよー!」とその子と手を繋いで、誇らしげに皆で走って帰ってきました。何ていいクラスなんだと幸せな気持ちになりました。
 ぱんだ組は、いつでも何をするにも全力でした。友達の嬉しいことは、皆で喜び、誰かが悲しいときは、一緒に悲しめる、そんなクラスでした。それは、人にとって、とても大切なことではないでしょうか。小さな4歳児に教えてもらったことです。
 もう本当に終わってしまいます。思い出が詰まった部屋を見ただけで泣いてしまいそうです。皆に会えた始業式から、それからの毎日、笑ったり怒ったり、泣いたり感動したり悔しがったり喜んだり、本当に楽しかったです。満ち足りた日々こそが、皆からの最高の贈りものです。少しくらい寂しくても思い出が温めてくれます。まだまだ書きたいことが沢山ありますが、最も言いたいことは、優しくて、素直で、真っすぐで、団結力か強くて思いやりがあって…何より凄く可愛い、ぱんだ組の皆が、大大大大大ー好きです。
 1年間至らない点も多々あったと思いますが、本当にありがとうございました。
 最後に、「ぱんだ組は!1人じゃない!どこまでも!信じてる!」
 大きい組になった皆に会えるのを楽しみにしています。皆大好きだよ!ありがとう!


■ひつじ
 名残り雪のちらつく日もありますが、暖かい春の日差しも差し込み、ひつじ組で過ごせる残り僅かな日々に寂しさが込み上げ、3月はあっという間に過ぎてしまいました。
 お別れ遠足でエキスポランドに行きました。直前まで、天気予報を見てハラハラしていましたが、皆の強い思いが届いたのでしょうか、晴天の元、全員で出掛けられたので良かったです。
 「私、ちっちゃい組のときお休みした」「モノレールみたいなんも乗るんやろ?」と、ずっと楽しみにしてくれていました。そして、登園した子ども達は、お菓子の話で持ち切りです。
 「先生、見せたろか?」と鞄を開けようとする子や、私のリュックを覗き込んで、「先生も持って来たん?じゃぁ1個交換しよう」と言う子など様々ですが、皆笑顔が絶えません。お菓子は昼食後の楽しみにして、出発です。
 ティーカップでは目一杯回転させて、私はフラフラなのに子ども達は、「めっちゃ楽しかったなぁ」と、全然平気な様子でした。メリーゴーランドに移動すると、笑顔が一変して不安そうに、「俺、先生と一緒に乗るわ」と言う子もいました。どうしてかと尋ねると、「だってちっちゃい組のとき乗って恐かってん…」と可愛い発言に笑ってしまいました。ひつじ組で行く最後の園外保育は、とても楽しい素敵な思い出になりました。
 リレーが始まり、「くま組強いで」「ひつじも速いで」と、作戦会議の毎日です。園庭でバトン渡しをしていると年長児も一緒に参加してくれました。そのときにお兄ちゃんから聞いた、「砂触ってたらバトン落とし易くなるで」という一言で、応援中の砂遊びも激減しました。私の何倍も効果のあるこの一言に感心させられました。そして、その後もバトンの渡し方などを教えてもらい、友達に伝える姿に、子ども同士で成長することの大切さを目の当たりにしました。
 4月、不安と緊張の入り混じった表情で、部屋を覗いていた子ども達の姿、今でも昨日のことのようにはっきりと思い出せます。初めてのクラス替えと、新しい担任に戸惑い、部屋の片隅で涙を流していた子もいました。そんな始業式から早いものでもうすぐ1年が経ちます。
 運動会も造形遊びも発表会も、いつも元気いっぱい、一所懸命に取り組んでくれました。沢山の行事を通して、友達と協力して、友達のことも思いやり、私の心配までしてくれるようになりました。
 「ひつじ組、終わるの嫌やけど、大きい組にはなりたいねん」と、年長への意欲も出て来ました。もう心配はいりません。逞しい子ども達です。
 この1年、私自身どんなに子ども達の笑顔に支えられ、元気を分けてもらったか分かりません。本当にありがとう。
 そして、そんな子ども達と未熟な担任を温かく見守って下さり、本当にありがとうございました。1年間、子ども達と元気に遊び、沢山笑って過ごせて、とても楽しかったです。


■しか
 久さし振りのリレーを目前にしたある日、部屋では作戦会議が開かれました。今回のリレー大会はしか組皆が仲間であることを伝えると、どこからともなく歓声があがりました。
 「皆が仲間やって!じゃぁ、誰が走ってても応援して良いの?」「なんか、強くなれそう!」と、早くも、意欲が高まります。
 「絶対に勝とうぜ!」
 そう言って肩を組んだり、手を握り合う姿を見て、この一年間で築き上げられた絆の強さを感じました。今、思えば、4月当初はまだ年少の幼なさを残した子ども達でした。お互いのことも知らず、きっと緊張もしていたことでしょう。しかし、様々な経験を通して、その絆を深めてきたのです。
 塗たくり遊びや土粘土遊びでは、その感触を楽しみ、時々、悪戯もして、笑顔を見せてくれました。このとき、見せてくれた悪戯心は、お互いの緊張をほぐしてくれたことでしょう。そして、この一年間、何度も笑わせてくれることになりました。
 園内プールも大好きでした。雨に悩まされたこともありましたが、溢れんばかりのパワーを持つしか組にとって、そのパワーを発揮できる場でした。既に仲良くなっていた子ども達は、その天候に一喜一憂していました。
 2学期は何と言っても運動会です。初めて『ハートのパワー』の話をしたのもこの頃でした。色々な想いを込めて話はしたものの、その後1年間、こんなに度々とハートのパワーの話が子ども達から出てくるとは思ってもいませんでした。こんなに心でしっかりと受け止め、感じてくれたのは、やはり運動会で共に1つの目標に向かっていったからなのでしょう。
 1つの目標に向かうと言えば、造形遊びもまた同じです。ここでは、一つの物をグループで作ろうと、話し合う姿が見られました。ときには、ぶつかり合うこともあったけれど、そうしてお互いの考えを主張できるようになったのですから、素晴らしいことです。そこで培った話し合う力がその後も貴重な財産となりました。
 そして発表会です。ミニミニ発表会が終わってからも、「発表会やりたい!」と言ってくれるのは、好きになってくれた証拠でしょう。
 ある子が言ってくれました。
 「しか組の皆とやるのが楽しい!1人じゃなくて皆とやりたいんだよ!」
 そんな風に思ってくれたなら、本当に嬉しいです。そしてここでも見せてくれた『ハートのパワー』に感動したことは忘れられません。
 1年間、笑顔とパワーとユーモア溢れる、本当に楽しいクラスでした。いつかまた、何年か後に、この1年を思い出したとき、ふと元気になってくれたなら本望です。私にとっては、そんな1年でした。至らぬ点もありましたが、温かく見守って下さり、本当にありがとうございました。




■ばなな
  笑みを浮かべながら、「先生、今日お菓子、一杯持ってきてくれたよ」と膨らんだ通園鞄を見せてくれました。そうです、今日は、待ちに待った、エキスポランド遠足に行く日です。
 遠足に行くため、片付けを伝えると、「遠足に行くよ」と張り切って片付けをしてくれ、中には、少しあわてん坊の子もいて、水筒と通園鞄を掛け、靴を履き替えようとしている子もいました。その子に、「まだちょっと早いよ」と伝えると、照れ笑いが戻ってきました。皆、心待ちにしているのが、伝わって来ました。
バスに乗り、エキスポランドに到着すると、ジェットコースターの通る大きな音に、目を奪われ、「わぁー」と興奮し、喜んでいました。歩いて移動している、途中には、アンパンマンも置物や大きな白クマなど、興味深い者が沢山あり、目を輝かせながら歩いていました。
 まず、最初はティーカップに乗りました。カップの中に入り、友達の名前を呼び手を振っている子や中央のハンドルを両手でしっかり持っている子がいました。動き始めると、「キャー」と嬉しそうな声が聞こえ、グルグルと、目が回ってしまいそうなくらい夢中でハンドルを回している子もいました。
 続いてメリーゴーランドでは、少し緊張した表情の子がいて、「恐くない?」と問い掛けると、「うん」と答えてくれ、動き始めると、笑顔を見せてくれたので、安心しました。
 乗り物を住全て乗り終えた、第一声は、「ああ、お腹空いた」でした。太陽の下で、食べる弁当はとても美味しかったです。弁当を食べ終わった子から、お菓子を食べ、「先生にもあげる」と持って来てくれ、嬉しかったです。
 帰りのバスに乗り込むと、「先生、疲れた」と、通園鞄を枕にし、眠ってしまう子がいました。子ども達の素敵な笑顔が見られ、すごく楽しい一日でした。
 先日、絵手紙ファイルの表紙を作りました。表紙には、自分の顔を製作し、可愛らしい顔ができました。リボンや帽子を付けてもいいよと言うと、「野球の帽子」と言って、作っていました。また、家に持って帰りますので、楽しみにしていて下さい。
 ばなな組での、「ぱぴぷぺぽ」も最後となりました。皆、いつも元気一杯で、外遊びが大好きでした。友達が、困ったり、泣いていたりすると、「先生」とすぐに呼びに来てくれる優しい子ばかりでした。その優しさに、私達も、励まされました。至らない点も、あったの思いますが、一年間ありがとうございました。 


■すいか
 1週間ほど前から、「明日は遠足?」と何度も聞いていました。前日に、「ついに明日は遠足だよ」と伝えると皆跳び上がって喜んでいました。そして、持ち物や乗り物の話をすると、「お菓子持っていくんだよ」「メリーゴーランド乗るんでしょ」と私が話をしなくても良いのではと感じるほど熱心な子ども達でした。
 当日、バスから太陽の塔が見えるとエキスポランドに到着です。
 「先生、太陽の塔」と手を広げ、口を曲げて太陽の塔のものまねが始まりました。以前の万博の遠足で遊んだのを覚えていたようで、クラス全員でしていたので思わず笑ってしまいました。
 メリーゴーランドでは高い馬に少し不安は表情をしていた子も、回り始めると、「先生、おーい」と元気に手を振ってくれました。手を離せない子も笑顔を見せてくれたので私も一安心でした。恐くて泣く子は一人もいなくてとても頼もしかったです。
 乗り物を乗り終えたらすぐに、「お腹すいた」の大合唱でした。おろちランドで真上を走るジェットコースターを見上げながらの弁当も普段と違い味も格別だったようです。
 帰りのバスでは今日の乗り物の話をしたり、「今度は年中さんになってから来ようね」と話をしました。
 無邪気に話をしている子ども達を見ながらも、もう少しですいか組も終わりなのだと感じ寂しくなりました。
 「大きくなった僕、私」のテーマで描画をしました。いつもと違うのは画用紙が縦長に2枚分あることです。その画用紙を見るだけで大はしゃぎでした。描く前に入園当初よりどこが大きくなったか話合いました。「手も足もほっぺたも」と実際に触れて探しました。大きい画用紙なので紙の上に乗って描きます。手を伸び伸び大胆に動かし、長い手足や顔を画用紙一杯に描いていました。筆を動かす感触が楽しく、画用紙を真黒に塗る子もいてそれぞれ楽しんで描いていました。前は描画活動も、手足に絵の具が付くのが嫌だと言ったり、スモックの汚れを気にする子が多かったのを思い出しました。これほど活動に集中し、自信に満ちた表情をするようになった子ども達を微笑ましく、頼もしく感じました。年中になると今以上に活躍するのではないでしょうか。
 入園当初泣いていた子も、今では泣いている友達がいると走って行き、頭を撫でたり、背中を叩き、「大丈夫?」と優しく声を掛けてくれるようになりました。一人遊びが多かった子ども達も、「入れて」「いいよ」と友達を仲間に入れてあげたり、鬼を決める遊びのときの自然にジャンケンで決めたり、順番交代でしたりと子ども達だけで出来るようになりました。
 1年間、友達思いの優しく明るい子ども達と遊び、色々な思いを感じられたことは私の宝物です。1年間、温かく見守って下さりありがとうございました。


■みかん
 お別れ遠足の前日、少しだけ早く降園準備を済ませて、お地蔵様のところへ行きました。
 「明日、晴れますように」と1人ひとり小さい手を合わせて真剣な面持ちでお地蔵様を拝んでいました。男の子達が、「赤ちゃんのお地蔵様にもお願いしとく!」と言うと、「僕もまだやった」と傍らにある小さなお地蔵様の方へ体と視線を向けて手を合わせる子が沢山いました。私が思っていたよりもずっと丁寧に、落ち着いて手を合わせてくれた子ども達に1年の成長を感じずにはいられませんでした。
 当日は、皆の願いが届いて本当に良かったです。
 「たんぽぽバスに乗ってます〜」と可愛い替え歌と共にエキスポランドへ向かいました。
 観覧車が見えてくると一段と皆の目が輝いたのが印象的です。
 バスを降りてからは、頭上を走るジェットコースターや横で撥ねるスライダーの水飛沫に目をキョロキョロさせながらも、友達と楽しそうに話し、そして列を乱さず連いて来てくれる皆にはまたまた可愛さと成長を感じました。
 風邪の流行で、33人全員でエキスポランドに行けなかったことが唯一残念でしたが、欠席の友達を想いやり心配していた皆の気持ちは伝わったと思います。
 早いもので、昨年の4月に皆と出会ってからもう1年が経ってしまいました。私達2人は新担で、至らない点も沢山あったと思います。
 入園式では、7クラスの中で1番大きな産声が上がったみかん組でしたが、今では誰かが困ったり泣いたりしていると必ず誰かが助けている姿が見られます。畑が首を痛めてたり、私がマスクをしていたとき、「先生、大丈夫?早く良くなってね」と誰からともなく優しい言葉を掛けてくれました。子ども達の優しさ、素直さに、これまで幾度となく感動し、パワーをもらいました。
 お母さん方にも行事のときだけでなく、日頃から温かい言葉を掛けて頂いたり、温かく見守って下さったりと、感謝してもしきれないほどです。本当に1年間ありがとうございました。
 子ども達が集団生活の中で、想いやりの心や自分の意見を素直に表現してくれたことは本当に嬉しかったです。
 みかん組の皆に出会えて本当に幸せでした!ありがとうございました。


■めろん
 「先生おはよう!」と毎日、部屋の前で当たり前に交わしている挨拶なのですが、その挨拶が聞ける日も残りわずかとなりました。最近では当番発表のときの質問で、「中くらい組さんになったら何組さんになりたいですか?」と質問しています。ぱんだ組、りす組、ぞう組、と様々でした。1番人気はきりん組です。「それはどうしてですか?」と理由を聞くと、「2階だから」「かわいいから」と嬉しそうに答えてくれ、年中になることを楽しみにしていることが伝わってきました。友達になりたいクラスを尋ね合い、同じだと、「○○ちゃんも○○くんも一緒や」とお互い顔を見合わせて喜んでいる子もいて、最近では友達の存在が大きなものになっているのだなと感じることが多いです。
 先日のお別れ遠足でも感じられました。
 前日に「明日の遠足でメリーゴーランドと、コーヒーカップに乗れるよ」と伝えると、立ち上がり喜び、「明日、一緒に乗ろうや」と約束を交わしていました。
 遠足の日当日、朝から通園鞄に入っているお菓子を嬉しそうに見せてくれました。忘れ物がないか確認し、いざ出発です。
 エキスポランドに着いてまず乗り物に乗りました。メリーゴーランドでは馬は高い所にあるから恐がるかなと思ったのですが、心配無用でした。馬に乗り、外にいた私に手を振ってくれる姿はとても可愛いかったです。次にコーヒーカップです。友達を誘い、好きなカップに乗り込み、発車の合図と同時に真中のハンドルを握りしめ、どのカップもおもいきり回っていました。降りたときはには皆、「楽しかったー!!」と、満面の笑みでした。
 それから広場へ移動し、昼食とお菓子の時間です。友達とお菓子を交換したり、中には私達にお菓子をくれる子もいて、純粋なその気持ちが嬉しかったです。食べた後にはもちろん全員で遊具へ遊びに行きました。
 今回は移動距離が長かったのですが、最後まで歩き続けた子ども達を見ると入園当初からとは比べものにならないほどの成長を感じました。
 子ども達の笑顔に支えられ、私達もここまで一緒に成長することが出来ました。
 1年間ありがとうございました。


■いちご
 年長組の卒園式が終わり、とうとういちご組との別れの日が近づいてきました。
 毎朝、「おはよう」と元気に笑顔で挨拶してくれたり、「先生、一緒に遊ぼう」と誘ってくれたり、「先生、大好き」と抱きついてきてくれることもなくなると思うと、寂しくてたまりません。
 入園式の日、「お家に帰りたい」「お母さんのところへ行きたい」と窓にくっついて、涙が枯れてしまうのではないかと心配になるぐらい大泣きしていたみんなが、今となっては、私達を見つけると、猛スピードで走り出し、抱きついては満面の笑顔を見せてくれます。みんな大きくなったなぁと改めて実感しました。
 エキスポランドへ遠足に行きました。
 朝から、みんなテンションが高く、お菓子を持って遠足へ行くのは初めてだったので、鞄を開けて、私のところまで何度もお菓子を見せに来てくれました。出発したバスの中では、エキスポランドの話で一杯で、私達の声が聞こえないほどでした。
 一人の子が、「先生に1つお菓子あげるねん」と叫んだ途端に話の流れが変わり、一気に、「ぼくもあげる」「私もあげる」の声で溢れていました。その言葉は嘘ではなく、昼にご飯を食べ終えた後、みんな私達にお菓子を持って来てくれて、とても感激しました。私達も、その気持ちに応えようと、全て食べていると、帰るときには、弁当ではなく、お菓子でお腹が満腹になっていました。帰ると、体重が増えていましたが…。
 それはさておき、待ちに待ったコーヒーカップに乗り込みましたが、子ども達にとっては、魅惑の乗り物でも、私達にとっては、恐怖の乗り物でした。動き出した瞬間から、笑い声と共に回転も止まらず、乗り終えたときには、千鳥足でした。
 帰りのバスの中では、行きのバスとは反対で静まり返っていました。頭を揺らしながら気持ち良さそうに眠っている子が何人もいました。寝顔を写真に撮りたいくらい可愛かったです。
 一年間、本当にありがとうございました。私は、いちご組の子ども達の笑顔が大好きです。一生の宝物です。忘れません。
       *************************
 10枚のパピプペポは、私達の歩みでもあります。引き攣った顔で迎えた入園式は今となっては笑い話です。子ども達の涙に対抗して、大量の汗を流していた私ですが、振り返ると、それが私達との出発点でした。腹痛を訴えた私に、何も言わずに駆け寄って、お腹を撫でてくれた子や、子ども達の弁当を見て、「美味しそうだなぁ」と呟いた私に、「お友達のお弁当でしょ!」と怒った子もいました。入園式で、「笑顔の絶えない、元気なクラスにしたいです」と言いましたが、それは正に現実となり、32人の笑顔が溢れた日々でした。
 一年間、至らぬ点も多くありましたが、いつも温かく見守って下さり、本当にありがとうございました。         (


■もも
 もも組の部屋の前の梅の花が満開になり、春の訪れを感じます。早いものでもう3月です。
 当番発表のときは、やはり「きりん組になりたい」という声があがっていて、私は不思議に思っています。エキスポランドへお別れ遠足にいったときにも、バスの中でペアクラスのすいか組の先生が、マイク越しに中くらい組になったら何組になりたいかを質問していたときにも、ぞう組でもなくひつじ組でも返事がなく、最後に、「きりん組になりたい人!」と言うと、もも組皆が一盛に手を挙げていました。本当に不思議な現象です。何故なんでしょうか?
 まず始めにメリーゴーランドに並びました。前のクラスの子ども達が乗っているのを羨ましそうな表情で見つめていて、どれに乗ろうかと目移りしている子もいました。
 思う存分乗馬で満喫した後、私の苦手なコーヒーカップへ向かいました。
 「お願いだから回し過ぎないでね!」と言っていたはずなのに、一緒に乗った子ども達は、レバーを手に持ち、ありったけの力を振り絞って回して大喜びでした。一緒に乗っていたある女の子と私は悲鳴を上げて、コーヒーカップが止まっても直ぐに立ち上がることが出来ないくらい目がまわっていました。こんなこともまた一つ良い思い出となりました。
 一つ一つの行事が終えていく度に、皆との別れを感じています。
 待ちに待ったお菓子の時間が来ました。ダイエット中のはずなのに、優しい皆の心遣いに断ることが出来ずに差し出されたお菓子を全て食べてしまいました。私のリュックの大半を占めていた「ぽたぽた焼」を皆はとても喜んで食べてくれたので、持って来てよかった!と思いました。
 年少クラスで合同発表会をしました。他のクラスが発表をしている間、皆は真剣な眼差しで見ていて、その姿にもう年中さんなんだな…と実感してしまいました。
 入園当初はお母さんから離れられなくて泣いていたのに、いつの間にかお母さん達に発表会でのたくましい姿を見せてくれたり、友達同士で遊び私を誘ってくれたりと、皆の成長を感じずにはいられませんでした。
 当たり前に続くと思っていたもも組での生活も、もう直ぐでおしまいです。皆と別れの挨拶はしたくないですが、笑顔で今までありがとうと言いたいです。
 至らない点もありましたがこの一年間本当にありがとうございました。ご父兄の方々、子ども達がいて下さっての私でした。心から感謝しています。一年間本当にありがとうございました。 


■ぶどう
 皆と出会った季節がまた訪れようとしています。
 「先生、来て!」と、満面の笑みを浮かべた子ども達に、手を引っ張られ向かった先には梅の花が見事に咲き誇っていました。手を合わせて「わぁ、綺麗!」と見惚れながらもふと皆との別れが頭を過り涙が出そうになりました。
 そんな私に気付いたのか、子ども達は「どうしたの?先生ぼーっとしているよ」と声を掛けてくれました。
 「もうすぐ、皆と離れてしまうと思うと、寂しくなったんだよ」と言うと、「先生、大丈夫だよ!中くらい組さんになってもまた会えるんだよ!」「年中さん、年長さんになっても先生と一緒がいいな」と抱きついてくれ、嬉しさで笑いながらも堪えていた涙が溢れそうになりました。
 いつだってそうです。逆に子ども達に励まされ、子ども達からもらうものがどれだけ多かったか。全てが私の宝物です。
 そして皆で決めました。皆で、過ごせる残り少ない日々を一日一日大切に過ごし、いっぱい遊んで、いっぱい思い出を作ろうね。
 そんな思いを胸に迎えた「お別れ遠足」は悲しい気持ちではなく、いつも通り元気一杯で出発しました。今回最後の遠足です。やっぱりここでも感じました。メリーゴーランドで、「大きい馬に乗りたい!」と足を必死に挙げ、私が抱き上げようとすると、「大丈夫、自分で乗れる!」と声が返ってきたり、こけてしまっても泣かずに立ち上り甘えることもなく、成長した姿に嬉しく思う反面、少し寂しくもなりました。
 ティーカップでは友達数人と一緒に一つのカップに乗りこみくるくる回りながら友達の顔が近付いては遠くなり、また別の友達が近付き皆の笑顔がきらきらと溢れていて幸せな気持ちになったことを今でも忘れられません。
 帰りには、「あ〜楽しかった」と口にする子ども達の表情からも、「今日も素敵な一日を過ごせたね」と私の心の中の引き出しにまた一つ宝物が増えました。
 先日、嬉しい出来事がありました。
 「まだかなぁ〜まだかなぁ〜」と心持ちにしていた球根の花(クロッカス)が遂に咲いたのです!この嬉しい知らせ運んでくれたのも、もちろん子ども達です。芽が出だしたころから、「まだ咲かないの〜?」と不安そうにしている子ども達に話をしました。「お花は、毎日皆がきれいだね、とか早く咲いたところを見てみたいなとか思っていることを話しかけると、花にも心があるからもっと大きくなろうとして綺麗な花を咲かせるんだよ」と話をすると、それ以来毎日誰かが優しく話しかけていました。その様子を温かく見守っていたそんなある朝、春のやわらかな日射しに照らされた小金色の花がそっと花びらを広げ私達に幸せを運んできてくれました。子ども達は跳びはねて、バンザイしては大喜びです。1人の男の子が急に走り出して笑顔で帰ってくると、「まだどこのクラスも咲いてないで!」と嬉しそうに教えてくれました。「皆の思いが通じたね!」と喜びを分かち合いました。ぶどう組の前を通る人やバスの先生や、運転手さんにも、「見事に咲きましたね!」と言われるたび、自分のことのように嬉しそうにしている可愛らしい子ども達です。
 楽しいと時が過ぎるのは早いというのは本当ですね。この一年、本当に早く感じました。大きく逞しく、そして優しく成長される姿を横で見させていただき、皆の担任になれたことを、本当に幸せに思います。年中になっても変わらず成長を見守り続けたいと思います。
 一年間、温かく見守ってくださりありがとうございます。皆のこと、大好きです。