■はと
「発表会やりたい!」
 臨時の担任として、はと組に入った初日に皆から言われた言葉です。
 1日の間に幾つものクラスがそれぞれの小道具を抱えてクラス前を通り過ぎて行きます。それを窓越しに皆がじっと見つめています。
 「そうだよね。発表会やりたいよね」と皆を見ると、数人の子がクラスの隅に置かれた小道具を気にしていました。
 発表会当日まで残り僅かです。私の不安とは逆に子ども達のやる気は十分です。
 「発表会やりたい」の皆の気持ちは大きな支えとなりました。
 その日の降園後、他のクラスの教師に実際に私のピアノで動いてもらいました。しかし、「今の(弾き方)じゃ動けない」と言われ、当たり前ですが発表会活動でのピアノの大切さを痛感しました。ただ弾くだけでは子ども達が動けないのです。
 先輩の先生達にアドバイスをもらい、翌日から発表会が始まりました。私の拙いピアノでも何とか音楽を感じて演じてくれます。まだ慣れない鍵盤に私が間違えると、「今のは違うで〜」と動きを止めて教えてくれます。「ごめん〜」と謝ると、「謝らんでいいで」と言ってくれるのです。そんな皆の優しさに助けられながら少しずつですが作品が出来上がっていきました。
 その週の金曜日、「クレオパトラ楽しくなってきた」と笑って言ってくれる皆がいました。子ども達が向けてくれる笑顔ほど強くしてくれるものはありません。
 翌週からは園長先生との発表会がスタートしました。ピアノが鳴ると、「王様はここから出て来る」と皆よく覚えています。限られた時間です。皆ついてきてくれるかなとの心配をよそに、私が皆についていくのに必死でした。園長先生の一言一言に皆が表現で応えます。そして改めて思いました。子ども達の音楽を捉える力は凄いです。
 祝日の登園にも協力していただき、何とか一つの作品としての場面が揃いました。
 「全部繋げてやってみよう!小道具も自分達でやるんだよ?」と言うと、「うん!」と目を輝かせながらとびきりの返事をしてくれました。
 その30分後、私は皆の前で溢れる涙を止められませんでした。皆と仲良くなれるのか、一緒に発表会が作れるのか、大人げないですが、皆に不安だった気持ちを初めて伝えました。するとじっと聞いてくれていた皆の目からもポロポロと涙がこぼれていました。
 毎朝、「京極先生、まだかぁ」と落胆する皆は私が思うよりもずっと今の現状を受け止めて私のことも受け入れてくれていたのでした。
 お母さん方はもちろん、京極先生に見てもらうのを目標に全員で駆け抜けて来ました。
 当日は、「京極先生の分まで」と気持ちを切り替えての発表会でした。スモック姿の皆も制服姿の皆もとても大きく見えました。
 最後になりましたが、いつも温かく見守っていただき、本当にありがとうございました。子ども達は毎日、み仏様に手を合わせ、一日も早い京極先生の回復を祈っています。


 

■つばめ
 「
来たぁ!」「呼ばれた!」
 しか組の発表会が終わる頃、待機していたもも組の内線が鳴った瞬間に皆の気合いが一層膨らんだのを感じました。
 全員の視線が受話器に注がれ、まるで合格発表かのように固唾を飲んで私の一言を待ってくれていました。
 つばめ組が呼ばれたと伝えると、皆は「待ってました!」と言わんばかりの表情です。
 部屋を出る前に、皆で決めた約束表を再度見ました。
 それを見た男の子達が、「ロークのポーズ、格好良くしような」「火山の中のとき絶対喋ったらあかんで」と、今までの約束を振り返り、皆で確認してくれていました。皆のエネルギーが集まってとてもいい緊張感で出発しました。
 皆の気持ちが寄り添い、本番を迎えられる雰囲気に始まる前にも関わらず泣きそうな誰かさんでしたが、きっとそれは誰にも気付かれてなかったことでしょう。
 実は、発表会を作っている期間に、皆の前で涙してしまったことがあったのです。子ども達を魅きつける力がなかった私自身の責任でもあるのですが、つばめ組に割り当てられた講堂の限られた時間のなかで坂で遊んだり準備の間に走ってふざけてしまうことがありました。
 「皆の心がバラバラだよ。先生、悲しいよ」「つばめさんは講堂に行けるけど、はと組さんは先生がしんどくなっちゃって講堂に行きたくても行けないんだよ」と心のままに話をして涙してしまいました。
 そんな出来事があって誕生した約束表は皆で立てた目標が書かれて、今では沢山の「合格シール」が貼られています。それを再度皆で見てからお母さん方の待っている講堂へと出発しました。
 32人全員で作り上げていることを皆が実感しているのが伝わってきて、弾きながら嬉しさが込み上げてきました。
 合奏では、「ありがとう拍手を」を歌う1人ひとりの顔を見ながら、以前に私が涙してしまった日の1人ひとりの表情が思い出され込み上げてきました。
 あの日、私の涙を見て、「先生ごめんね」と泣いちゃった子、「もうおふざけしない」と伏し目がちだった子、「心がバラバラは嫌や」と声を掛けてくれた子、その他にも部屋の発表会で皆を引っ張ってくれた様子などが1人ひとり思い出されました。しっかり前を向き歌う皆は本当に格好良かったです。
 皆、先生、いっぱい怒ったり、泣いちゃったりしてごめんね。でも本当に皆はとても格好良かったよ!お母さん方も温かく見守って下さりありがとうございました。
 あと3週間、大好きな皆との時間を大切に過ごします。


■あひる
 発表会当日、登園した子ども達は緊張することなく、友達と遊び追い掛っ子をしたり、絵本を見たり、「今日は本当に発表会なの?」と思ってしまうほど、普段と変わらない姿でした。
 講堂でお母さん方に見てもらう前に少しだけでも一場面から進めようと思っていました。
 でも、子ども達を見ていると、「本番、特別」と思っていることに疑問を持ったのです。
 自分の不安を消そうとしているだけなのではと気付きました。
 そこで、普段、子ども達と遊んでいる相撲大会を開きました。発表会当日に何をしているのか、今、思うと笑ってしまいますが、子ども達に教えてもらい、信じて良かったと感じます。
 全員が揃った頃に、みんなで輪になり話し合いをしました。
 「一場面はお母さん達びっくりするかな?」「ロミオは絶対笑うで」「最後は泣くかな?」
 見ている人がいろんな表情や想いを持ってもらえるようにと、取り組み始めた1月から何度も話し合ってきました。
 出番が近付き、講堂へ向かうときも、「早くしたい!」と、みんなから余裕さえ感じられました。
 幕が開き、それからの時間はあっという間に感じました。
 1つ1つの場面が終わるたびに、「終わらないで、もっとしたい」と思って仕方なかったです。 そして、エンディングが始まります。
 子ども達が最後に舞台でロミオとジュリエットに想いを伝える姿を見ていると、胸が熱くなり、涙をこらえるのに必死でした。
 お母さん方も、温かく見守って下さり、拍手を送って下さり、本当にありがとうございました。
 「お母さん泣いてた!」終わってからの第一声です。演じながらも、ちゃんとお母さんの位置をチェックして見ているのです。子ども達ってすごいですね。
 みんなで作り上げた発表会、これまで、上手く出来ない日もありました。弱音を吐き、「今日の所だめかな」と口にした日、「絶対、大丈夫」と励ましてくれたのは子ども達です。
 「だめならまたみんなで考えよ」「園長先生に言ってくるわ」
 心強い子ども達の言葉に背中を押してもらい、出来上がった発表会です。
 終わってしまった今は、やはり寂しくもなります。卒園まで後少し、みんなに会える日々を考えると、涙が出てしまいます。
 「ランドセル、買いに行く」「机、届くねん」と笑顔で教えてくれる姿を見ていると、笑顔で送り出さないといけないなと感じます。
 残り数日しかないけれど、「笑顔で楽しく」を心に刻んで、お母さん方も一緒に園生活を送りましょうね


■かもめ
 
これまで、一ヶ月半もの間、ほぼ毎日発表会を作ってきました。時には心がバラバラになり、話し合い、涙する日もありました。それでも皆の気持ちは、「皆と一緒に発表会をやりたい」でした。 私もそんな子ども達が嬉しかったです。
 そして2月に入り、遂に発表会が完成しました!
 出来上がった直後、一人ずつ今の気持ちを聞きました。
 「嬉しい」「諦めずに作れてよかった」「皆で心を一つにできて楽しかった」など、嬉しい返事が返ってきました。
 それから本番までに講堂で全部通して出来るのは、3回でした。1回1回を大切にやろうね。と約束しました。通せば通すたび、私も欲が出てきて、「やっぱりこうする?」「ここでもっと気持ち込めて!」と要求することも増えました。それに、「そっちのほうがいい!」と皆も納得してくれ、「さっすが〜!」と子ども達が頼もしかったです。
 しかし発表会前日、最後の講堂が終わり感想を聞くと、「あんまり!」「微妙やった!」と軽く返事が返ってきました。私も発表会中、本気の皆には見えずにいたので、簡単に返ってきた言葉にショックを受けました。こんな気持ちのまま本番を迎えていいのか?でも前日だし、気持ちを高めてからさよならしたい。どうしていいかわからなくなってしまいました。
 子ども達も私の異変に気付きはじめました。何も言わなくてもわかっているのです。自分達の心が一つになっていなかったことが。
 どのように話をしようかとしばらく考えました。やはりいつも通りきちんと話し合いをしなければと思い、話し合いました。答えは、「心を一つにして頑張る」でした。
 「お母さん達にもかっこいいとこ見てもらいたい」と涙する子も続出しました。
 前日にこんな話し合いになるなんて思いもしませんでしたが、子ども達の気持ちも再確認出来、「この涙はかもめ組だけの内緒にしよ!皆なら絶対出来るから!」と涙を拭きさよならをしました。 しかし二日間も休みの後の発表会です。正直どんな気持ちでやって来るのか不安になってしまいました。
 当日は私の予想に反し、「待ってました!」と言わんばかりの満面の笑み、やる気満々の皆が本当に本当に嬉しかったです。講堂に行く前、一度部屋で発表会をしました。そこには二日前の皆はいませんでした。今までにないくらい皆の気持ちが一つになっていることが伝わり、感動しました。 いよいよ本番です。皆の一生懸命さ、力強さ、何もかもの気持ちが今までで1番伝わり、エンディングでは涙で楽譜が見えなくなっては無理矢理、涙を引っ込めました。講堂を出ると涙が溢れて止まりませんでした。
 皆は、「なんで泣いてんの〜」とニヤニヤ私を見てきます。心を一つにし、達成感に満ちた素敵な笑顔で。
 「皆がかっこよかったからやん」と言うと、「発表会しながら、ほんまに涙出てんで〜」「楽しかったな〜」と言う皆がまた大きく見えました。こんなにも感動を与えてくれて本当に幸せ一杯でした。かもめ組で皆と出会えてよかった!声を大にして言いたいです。


■ぺんぎん
 今日も子ども達の発表会がまた一つ終わりました。
 「日本中の幼稚園の先生が見てくれるの?」と胸を躍らせ、緊張の面持ちを覗かせながらも幕が下りました。
 発表会とは生きもので、同じものは二度できません。子ども達の表情も毎回違うし、長靴が足りないなど、思いがけないハプニングによっても変わります。しかし、ただ一つ言えるのは、保護者に見てもらったあの日よりも、今日の方がよかったということです。
 あの日と何が違ったのか。それは「友達の分もがんばる気持ち」です。
 そう、今日は全員でできなかったのです。
 朝、私がたまたま事務所で受けた電話が、モウ太欠席の知らせでした。欠席理由は嘔吐でした。しかし厳密には、嘔吐は治まっていたそうですが、皆にうつさないようにとの配慮からの欠席でした。子ども達はどんな顔をするだろうかと時を待ちました。
 「今日は全員でできないの」の言葉に、子ども達はハッとした表情でキョロキョロと見渡し、モウ太の一人がいないことにすぐに気付きました。そして、「なんで!?」と迫りました。皆、思っていた通りの顔です。
 お母さんの言葉を借りてゆっくり話をすると、部屋が静まり返っていました。
 そして、しばらくの沈黙を破って誰かが尋ねました。
 「みんなのために、休んでくれたの?」
 「そうだね」
 「友達のために?」
 「そうだね」
 そして涙を浮かべる子もいました。部屋中に優しい空気が漂っていました。
 出番を次に控え、移動したつばめ組の保育室ではこんなやりとりがありました。
 「そうだ、電話をしよう」と内線の受話器を取り、得意の小芝居です。相手は欠席のモウ太です。子ども達は耳を澄ませます。
 「今からだよ」
 私の声に、子ども達が深く頷きます。誰も疑いません。そして子ども達に受話器を向けると、声を揃えて言いました。
 「がんばるよ」
 どれだけ重く、どれだけ優しい言葉だったでしょうか。リレー大会のときもそうだったね。
 あの日の発表会では、沢山の観客に怖気付いていないか、声は出せているかと、少しの心配がありました。しかし今日は・・・、言うまでもありません。友達の思いも背負って演じる後ろ姿が、どれだけ大きく見えたことか!
 そして、子ども達が「ともだち」と歌う度に目頭が熱くなりました。
 きっと届いたよね!
 モウ太にも、雨ふり小僧にも。


■うぐいす
 1ヶ月半の思い出と共に詰まった24分間の物語と合奏が終わり、皆が待つ部屋へと戻る廊下では、終えたことに安堵し、発表会の良かったところや、ピアノのハプニングについてどう話そうか考えるはずでした。
 しかし、そんな言葉よりも、合奏後の一列で歩き出し挨拶する子ども達の姿が脳裏に焼き付き、「卒園」という言葉が急に浮かび、気が付けば部屋まで走り出していました。
 「終わってしまった・・・嫌だ・・・寂しい・・・」
 勢い良く開いた扉に反応し、振り向いた皆の表情は、発表会での褒め言葉を待っているかのようでした。
 しかし、声を出して泣き出す教師を見ると、直ぐに近付き、「何で泣いているん?」と声を掛けてくれました。
 「終わっでしまった。嫌だ。皆が卒園しちゃうー」と号泣する教師に背中を摩ってくれる子や、一緒に涙を溜める子もいました。
 静まった部屋で、泣き出す大人をあやしてくれるかのように、「ねぇ、先生、ピアノ間違えたでしょ!」と出た言葉に、笑顔になった教師を見て、「先生、間違えてた!」「びっくりしたやんか!」と、待ってましたと言わんばかりのクレームの嵐でした!「ごめんなさい!」
 教師:今度のお客さんは、全国から皆のことを    撮影しに来たカメラマン達です!
 子ども達:えー!?
 日曜日のデビュー日は、朝から、「さっき、テレビカメラの人に会ったよ!」「沢山いたよ!」「スーツ着た人が一杯いたよ!」といつもよりも興奮していました。
 教師:34人の気持ちをひとつに〜!
 子ども達:するぞ!
 の言葉で気合いを入れた子ども達は、沢山の報道陣(?)にも堂々した表情でしていました。
 「先生、今日はピアノ上手だったよ」と、私も褒め言葉をもらいました。
 「99てん」
 部屋の黒板端に書かれた点数は日々の講堂の発表会で園長先生にもらった点数です。
 「100点目指す!」という気持ちで講堂に向かっていた日々は、「先生!今日は90点やって!やったー!上がった!」と、上がったことをとても喜んでいました。
 「99点」のままで迎えた発表会でしたが、「99点で良かった」と言ってくれます。
 「だって100点よりも、99点のほうが頑張れるもん!」うぐぱれちゃん達の「良かったさがし」がまた一つ出来ました。
 さて、来月は、縄跳び大会です。降園前にしてきた1分間のエアー縄跳びの成果はいかに!


■かなりや
 
本当に、「毎日が発表会」の日々でした。
 でも子ども達は、「今日も発表会する?」「今日はどこ(どの場面)からする?」と聞いてくれました。
 「また今日も発表会かぁ」と言う子も、ピアノが聞こえるとすぐにその役になりきってくれます。どの場面からでも、ピアノを聞けば自然に身体が動きセリフも言えるほど覚えてくれました。
 2月に入ってからは、「いつになったらお母さん達見に来るん?早く来てほしい!」と何度言われたか分かりません。そして遂に、発表会当日になりました。
 部屋に来る子ども達はいつも通り元気一杯で緊張している様子もありませんでした。
 そして皆で集まり、発表会の話を始めるとすぐに、「なぁ!早よ講堂行こうな!!」と、もう待ち切れないようでした。
 「今日は、おばあちゃん来てる!」「お父さんもやで!」と、自信に満ちた笑顔で皆話してくれました。子ども達にとっては、念願の発表会だったのです。
 発表会が始まるといつも以上に表現に気合いが入っているようでした。26分ある作品ですが、あっという間に終わってしまいました。
 終わりに近い曲を弾きながら、「ずっとこの時間が続けばいいのに」と思ったのは私だけではないはずです。
 発表会が終わると次は合唱です。
 着替えを済ませ講堂横で待機していると、年中の子達の歌が聞こえてきました。
 「この歌、知ってる!」と一緒に口ずさんで歌っている子もいました。
 年中の子が退場するときには曲に合わせて拍手で出迎えていました。
 そんな子ども達の優しく頼もしい姿がカーテンで見えなかったのが残念です。
 そして子ども達の番がきました。
 部屋でも何度も歌い、私がすごく気に入っているのが「待っててね」の曲です。ただ大きな声で歌っているだけではなく皆、ママのことをしっかり考えながら歌っているからです。
 何度か、「大きくなったら結婚する人決めている。それはね、先生」と私が歌ったことがありますが、いつも、「違うもん!ママやもん!」と言い返されます。
 友達の前では照れてお母さんに素気ない子もあの歌を通して、「ママ大好き!」と伝えているんだと思うと、保護者の方がとても羨ましかったです。
 かなりや組の子達と過ごせるのも、あと数日しかありません。皆で色々話し、笑い合いもっともっと楽しい思い出を沢山作りたいです。



    


■りす
 「今日、発表会する?」と何度聞かれたことでしょうか。また同じくらいに、「今日、講堂行かへんの?」と聞かれました。講堂がある日は、「やった〜!」と大喜びですが、講堂がない日は、「え〜、行きたかったのに」と、とても残念そうでした。正直な反応で、面白かったです。
 ジンギスカンを作っていく過程で何度も話し合いをしました。
 一つ一つの動きや台詞をどうするのか?納得いくまで話し合い、皆で作り上げたのです。
 しかし、ときに気持ちが1つにまとまらず、バラバラになっているのを感じました。
 そこで皆の気持ちも話し合い、確かめ合いました。
 すると、「おしゃべりしたら、あかんで!」や、「小道具持つで!」と自分達で注意し合ったり、教え合い、皆が1つになっていくのを感じ、嬉しかったです。
 楽器を増やした日には、戦いの途中なのに全員がティンパニーの方を向いて、「そうそう、あってる!」と確認しながら戦っていて、面白く、思わず笑ってしまいました。
 16日の帰りに、「明日は休みだよ」と伝えると、「知ってる!で、次の日が発表会やろ?」と答えてくれ、「お父さん、来る!」や、「おばあちゃん、来てくれるで!」と嬉しそうに教えてくれました。
 また、「ジンギスカン、忘れないでね」と伝えると、「大丈夫!家でやっとくから!」や、「バレへんようにするな」と頼もしい返事が返って来ました。
 発表会当日、元気一杯に登園し、やる気充分な皆の表情にパワーをもらったのは私でした。
 「楽しもうね」と声を掛けると、「うん」と力強く答えてくれ、「今までで一番格好良くする!」と皆の気持ちはまさに1つでした。
 ジンギスカン終了後、「楽しかった〜」や、「もっとしたかった」と、満足気な表情からは、達成感や充実感が伝わって来ました。
 発表会活動が始まり、格好良かったことを伝えたくて、黒板にハートマークを書きました。そのハートマークは5個集まるとカレンダーに花丸が付き、その日のハートマークの数も記入しました。
 「今日のハートはいくつ?」と皆の楽しみが1つ増えたのです。
 発表会当日は皆でハートマークの数を相談しました。全部合計すると、「そしたら30だ!りす組は30人だから、30と30で一緒だ!」と嬉しそうに教えてくれ、「本当だ」と感激しました。
 温かい拍手をありがとうございました。
 ミニミニ発表会とリレー大会も楽しみにしていて下さい。
 

■ぞう
 
心配だった天気にも恵まれた当日は、30人全員出席で元気に迎えられて本当に嬉しかったです。
 1日目の、しかもトップバッターなので、ちょっとそわそわし、緊張のせいか声も大きく皆のやる気が自然に伝わって来ましたが、いつもと変わらず、表情は柔らかく、皆の顔を見ると私の緊張も少し和らぎました。
 1場面からの動きの再確認をしているとすぐに、「つばめ組に来てください」と、講堂からの連絡が入りました。
 「プルルルル・・・」と、部屋の内線が響き渡った瞬間は、一瞬にして部屋がシーンと静まり、「キャー!」と、手で口を押さえながら、笑顔が全開になりました。
 「最高の白雪姫を見てもらおうね!」と、約束して部屋を出ました。
 しかし、事件発生です。
 ばなな組の前を通って、講堂に行かないといけないのに、気付いたらくま組の前のスロープを歩いていたのです。
 「先生、何やってんねん!」と、皆からの鋭い突っ込みを受けながらも無事、講堂に辿り着きました。
 「いつも通り、リラックスリラックス!」と、皆に言い聞かせていたせいか、講堂までをいつも通りの行き方で行ってしまっていました。皆、ごめんね!
 小道具だらけの部屋に驚き、同じ服装の先生が沢山いたのでまたまた驚き、皆の表情は少し硬くなっていましたが、「世界で1番可愛い姫も見てもらう!」「今日は今までで1番元気な小人さんを見てもらいたい!」「かっこいい王子様になる!」と、それぞれの思いを込めて本番がスタートしました。
 ピアノを弾くとすぐに、可愛い白雪姫が登場し「緊張しているかな?」と思いましたが、可愛さをアピールする姿に、「やっぱり、皆は可愛い!大丈夫!」と、確信しました。
 可愛い白雪姫、お父さん、姫の前では意地悪な新しいお母さん、一番美しいを思い込むお妃様、魔法がかかった鏡、姫を森へ連れていく家来、元気で働き者の小人、王子様、どの役もいつも以上に歌やセリフに込めた気持も強く、皆を見ながら自然に笑みがこぼれました。
 最後の歌も見とれてしまいました。
 今日まで発表会を作ってきた2ヵ月は、本当にあっという間でした。セリフや振付けを考えたり、分からない子にそっと教えてあげたり、小道具の出し入れが上手くいかない所、急がないと絶対間に合わない所を何回も話し合いました。
 「先生がピアノ頑張ってるから、僕らも頑張るわ!」と、皆の優しさに毎日助けられました。皆の優しさが心の支えでした。どんなときも、笑顔を絶やさず、「早く発表会したい!」と、全員同じ気持ちで過ごした2ヵ月は忘れられないです。
 「ずっと、ずっと、一緒!」と、一緒にいるのが当たり前でしたが、もうすぐ年長さんですね。 気持ちをリレー大会へ切り替え、残りの日々を大切にします。


■くま
 毎日の予定が書いてるカレンダーを見ながら、「今日がここだから、後○日でお母さんが見に来てくれる」と、日数を数えるのも日課になっていました。
 「明日は講堂だ!やった」と、講堂で発表会をする日は、大喜びです。
 「沢山お客さんが来てくれるのは金曜日だよ。火曜日の今日がお客さんが来るまでの最後の講堂だよ」と伝えると、目を丸くして、「じゃあ気合い入れてやろう!オー」と言う皆を見て思わず笑ってしまいました。
 最初から最後まで通して行なえた日は、私も皆も、「最後まで作れた」という気持ちが溢れていて、いつも以上に生き生きとした表情を見せてくれました。
 それからは、益々表現や動きに磨きがかかっていきました。
 「昨日よりポーズかっこ良いね」と褒めると、「だって昨日お風呂で考えてたし」と、家に帰ってからも自分達で研究してくれている子が沢山いたことに気付きました。
 「台詞どうする?」と尋ね、「んー何でも良いんちゃう」と言っていた日はどこへやら。エンジン全開の皆と火曜日に別れました。
 しかし、発表会は3日目の午後です。
 正直、普段の休日明けの月曜日でも、「あれ?」と見ていて思うときも多く、「前の方がもっとかっこ良かったよ」と伝えることがありました。ですから、3日目の発表会まで、「覚えてるかな」「大丈夫かな」と心配でした。
 前日から緊張して、当日は緊張もピークでした。皆を信じて眠りにつくしかありません。
 ところが、当日は、不思議と子ども達が来ると、落ち着けました。どれだけ子ども達に励まされたでしょうか。
 つばめ組で待機するため、部屋を出ると、「楽譜持って行ってあげる」「先生、手を繋いだからもう大丈夫だよ」と温かい言葉に感動しました。皆の緊張を解すはずの私が解してもらう側になっていました。
 「ドキドキするよ」と言うと、「大丈夫、大丈夫。くま組はやるときはやるし、かっこ良いねんで。ちょっとパワーあげる!」と緊張しないパワーをくれました。
 「あ、あげすぎたからちょっと返して」と笑わせてもくれました。
 いざ始まると、皆との一体感に目頭が熱くなり、音符がぼやけました。挿入歌のネコも初めて全員が間に合いました!
 終わってからは、合唱を見てもらうのを楽しみに口ずさんでいました。
 発表会はいかがでしたか?次は役を替えてのミニミニ発表会です。新しい役を一足早く、新たな姿を見させてもらいます。楽しみにしていて下さいね!


■ぱんだ
 カレンダーに特別な色で印を付けたこの日がついにやって来ました。お客さんに見てもらえる発表会を皆は本当に楽しみにしていて、「早くお母さん達に見てもらいたいなぁ」といつも話していました。
 「緊張する」と険しい表情の子、「ご飯一杯食べて来てん!」と興奮気味で元気一杯の子、それぞれの思いを胸に全員が揃いました。
 挨拶を交わし、一人一人の顔を見ると、一日皆と会わないだけで不安になっていた気持ちが、安心に変わって溢れてきてしまいました。
 「先生、緊張してるねん」と漏らすと皆は、「大丈夫やって!」と口々に力強い言葉をくれました。
 更に、「ピアノ間違えたらどうしよう」と情けない言葉を口にすると、「全部覚えてるから出来るで!」と笑顔で励ましたくれたのです。もう、どちらが先生か分かりません。優しい皆に手を引っ張ってもらい、始まる前から感無量でした。
 その後、どうすればお客さんに沢山の拍手をもらえる発表会になるかを話し合いました。
 「大きい声でする」「お客さんに見えないところからでも歌う」「うん、気持ちは伝わる!」と目を輝かせながら意見を言い合う皆が眩しくて、独り占めするのがもったいないほどでした。
 皆で気合いを入れ、つばめ組へ移動していると、「今日は始めからする?」と聞かれたのには参りました!
 そして、「やったー!」と喜ぶ皆を見てはっとしました。
 広い講堂で出来ることと、家の方に見てもらえることを純粋に楽しみにしているのです。
 この日に向けて発表会をしてきたのではなく、いつもの発表会の延長でお客さんが見に来てくれる日、そんな雰囲気の皆を見て頬が緩みました。
 いよいよ幕が開くと、予想以上のお客さんの多さに驚いたのか、興奮と緊張の入り混じった様子の皆でした。
 思い返せば、私が音楽を分かりやすく伝えられなかったことで、せっかく皆で考えた場面を何度も作り直したこともありました。
 「ちょっと変えたんだけど」と切り出しても、嫌がる子などいなく、「いいよ」といつも笑顔で答えてくれました。本当に優しい子ばかりなのです。そんな子ども達に支えられ、28人全員でやり遂げられ、そして、終わった後には全員が、「楽しかった」と言ってくれたことがとても幸せです。
 情けない話ですが、緊張のあまり、発表中の皆の晴れ姿を十分には見られませんでした。幸いにもまだチャンスがあります。ミニミニ発表会では一人一人の輝いた表情を目に焼き付けます。
 温かい拍手を本当にありがとうございました。
 

■きりん
 発表会当日は温かい拍手をありがとうございました。
 子ども達は、「あと○回寝たらお母さん達が見に来てくれる!」と、この日を心待ちにしていました。
 講堂へ向かう前に皆と話をしていると、「つばめ組に来て下さい」と内線が来ました。子ども達は、「きゃ〜」と大喜びでした。
 そして、つばめ組に着き、「今日もいつもの発表会と一緒だよ!」と皆に伝えると、「分かってる!」「ドキドキしてきた!」と目を輝かせていました。
 そうこうしているうちに、出番がやって来ました。
 ピアノを弾き始め、「お客さんの多さに皆びっくりして緊張しないかな?」と思っていると、子ども達がいつもの力強い表情で登場し、「シンデレラ!」と大きな声で最初のセリフを言ってくれました。すぐに、「大丈夫!いつもの皆だ!」と確信しました。
 場面が進むにつれ、いつも以上の皆の姿を見られました。同時に、皆と一緒に発表会を作り上げてきた2か月間のことも頭に浮かびました。
 褒められた日も叱られた日もありました。
 変更した場面もいつも笑顔で受け入れてくれました。皆で意見を出し合って、1つ1つの場面を作り上げていったこと。そしてこの日、こんなにも立派な姿を見せてくれる皆のことを誇りに思いました。
 エンディングの歌では、皆の輝く笑顔に目頭が熱くなりました。
 終わった後には、「あ〜楽しかった〜!」とすっきりした表情を見せてくれました。
 作品が終わったら次は合唱です。私は皆が歌っているのを舞台袖から見ていたのですが、皆堂々と前を向いて歌っていて、「お兄さん、お姉さんになったなぁ」と一人一人の4月からの成長が感じられて嬉しかったです。
 日曜日の研修会では、2〜3日空いていたので皆覚えているか心配でしたが、ピアノを弾き始めると自然と体が動いていました。所々違う場面を弾いても、皆は曲でどの場面かを覚えていて、台詞も完璧でした。その調子で講堂でもとても可愛い姿を見せてくれました。
 「ずっと、一緒!」「大好き!」と最後の締めの言葉も決まり、大満足の皆でした。
 気付けば、もう2月も終わろうとしています。
 この1年間の皆と過ごした日々が走馬燈のように思い出されます。もう年長への進級となると思うと本当に早いですね。皆と過ごせる残りの時間を大切に、沢山の笑顔が見たいです。
 早速、次のリレー大会に向けてバトンの特訓をしましょう!


■ひつじ
 まだまだ寒い日が続きますが、子ども達の発表会の熱気に包まれ、寒さを忘れてしまうほどです。
 毎日の発表会では、日々違う表現を見せてくれる皆に楽しませてもらいました。
 講堂での発表会が終わると、「園長先生、何て言ってた?」と聞いてくる子もいました。私が、「〇〇だったらもっとかっこよくなるって」と伝えると、「じゃあこうしたらどう?」と、何人もがアイデアを出してくれ、表現してくれるのです。
 次の日になると、「いいこと考えてきたよ」「家でやってきた」と、頼もしい言葉を毎日のように聞かせてくれます。
 皆が間違えないようにと、作品の流れを紙に書いて持ってきてくれた子もいました。
 「さくせん」と書かれたそれを黒板に貼ると、「これがあったら大丈夫やな」「〇〇くんありがとう」と、自然にそんな言葉が飛び交っていたのです。一人一人が、「親指姫」の世界に入り、それぞれの役でどう表現するべきかを考え、もっとよくするにはどうしたらいいかということまで、子ども達自身が意識しながら取り組んでいるのです。
 この発表会活動で、改めて子ども達の成長を感じられました。そして、一人一人だけでなく、友達との関わり方や、皆を想う気持ちなど、クラスとしての成長が見られたことも嬉しかったです。
 発表会当日、「最初から出来る?」と、いつもと変わらない会話をしながら迎えました。少し緊張した表情の子ども達に、「いつも通りでいいんだよ」と、自分にも言い聞かせながら、どんな表現を見せてくれるのか、わくわくしていました。
 幕が開き、お客さんの多さに少し戸惑う子もいましたが、あっと言う間に終わってしまい、「もっとしたかった」「早かった」と、様々な感想を聞かせてくれました。最後は、声を揃えて、「楽しかった!」と言ってくれた皆の表情がとても輝いていました。
 最後まで落ちていたスープの食器は、拾うことさえ忘れてしまうほど、集中していたからなのでしょう。
 「スープ落ちてたね」と笑っていると、「わかってたんだけど」「そのままやってた方がかっこいいと思っちゃった」と、それぞれが考えてくれていたことが嬉しく、思わず拍手しました。
 そして日曜日の研修会では、緊張どころか、朝からいつもの元気な皆を見せてくれました。園庭に車が入って来るだけで大騒ぎです。普段遊んでいるところに車が入っていることが珍しかったのでしょう。部屋の前のフェンスから、次々に入る車を皆で数えているのが可愛かったです。
 出番が最後から2番目だったので、「まだ?」「早くしたい」と、気分は高まり、いつも通りリラックスして本番を迎えました。
 お客さんの多さにも慣れたのか、発表会当日とはまた違う表現で楽しませてくれました。
 終わった後は、「最高!」と笑顔を見せてくれ、とても楽しかったです。
 発表会はまだまだ終わりませんが、当日の温かい拍手にお礼を言います。


■しか
 一言で表すと感無量です。しかし、やっぱり一言では言い表せませんね。
 発表会の朝、次々と溢れんばかりの笑顔で登園してくれました。
 ある子が出席ノートに出席印を押した直後に、「よしっ!用意が出来た。先生、今から講堂に行こう!」と勢い良く話して来ました。開始までまだ1時間あったのですが、待ちきれなかったのでしょう。
 「まだだよ」と伝えると、「早くお客さんに見せたいわー」「園長先生に早く始めようって言いたい!」と言い出す子さえいました。
 皆の期待に満ちた表情を見ていると、緊張で固まっていた私も少しずつ解れていきました。皆のパワーは本当にすごいです。
 「少し部屋で発表会をしよう」と言うと、跳びはねて喜び、「どこの場面からする?小判のところをする?」「それいいねぇ!」と子ども同士で決め合っていました。皆で作った発表会だからこそ、出てくる会話だなと改めて感じました。
 ピアノを弾き始めると、すぐに内線の電話が掛かってきました。もうすぐ出番だという知らせです。
 一瞬静まり返った後、「キャー!」という雄叫びが部屋中に響きました。驚いて目を丸くしていると、「もうすぐ始まるねぇ」「楽しみ!」と更に高まった気持ちが溢れ出たのでしょう。私はというと、その内線の電話で再び緊張が増してしまい身震いが起こり始めていました。
 「ピアノ間違ったらごめんね」と少し弱気なことを話すと、「大丈夫やって!先生なら弾ける」と頼もしいことを言ってくれました。
 またある子は、「前もピアノ間違ったことあるから、大丈夫!」とその言葉には少し苦笑いでしたが、優しい皆に助けられて幸せです。
 いよいよ幕が開くと、緊張や不安を微塵も感じさせない堂々とした発表会でしたね。
 発表会中、何度か込み上げてきて、ぐっとこらえるのに必死でした。
 水戸黄門の内容を全く知らなかった皆が楽しんで行なってくれているので本当に嬉しいです。この素晴らしい時間がずっと続いてほしいと願わずにはいられませんでした。
 終わってからも、自信に満ちた表情で、「楽しかったな!」と肩を組みながら歩く光景は忘れられません。まだまだ春休みまで発表会は続きます。
 しか組で過ごす時間も残り僅かになてきましたが、一日一日を大切に過ごしていきたいです。
 そして黄門様、助さん、格さんのように、今以上に強く優しく逞しい皆になって欲しいです。
 3月はリレー大会があります。保護者の方々、熱い声援、宜しくお願いします!


    





■もも
 
3学期に入り、毎日が発表会でした。
 「発表会するよ!」と伝えると我先にと山台(講堂の両サイドにある長椅子で、保育室では積木を並べます)を用意し、ちょこんと座り、目を輝かせて待っていてくれます。ピアノを弾き始めると、溢れんばかりの笑顔で活動してくれていました。
 「ハチのところやりたい!」とリクエストしてくれたりと、いつもやる気満々でした。そんな皆に、私達は勇気とパワーをもらっていました。
 私達が至らず、思うように作品が出来ず、講堂での活動のとき、子ども達の前で園長先生に叱られたこともありました。部屋に帰ると、「怒られちゃったね。大丈夫?」と励ましてくれたのも皆でした。
 同時に、日に日に作品が出来上がっていくのを喜んでくれたのは子ども達でした。活動を重ねる毎に目の輝きが増して行ったことが全てを物語っていました。皆はまた私達に様々なことを教えてくれました。本当にありがとう。
 「緊張してる?」「全然してなーい!」「本当に?お母さん達も見に来てくれてるんだよ。本当はドキドキしてるんじゃない?」
 発表会当日の子ども達との会話です。もも組の出番まであと30分です。緊張しているのは私達教師だけ?その緊張を掻き消すかのように何度も同じ質問を繰り返していました。
 集合時間になり、全員揃ったところで1度だけ、部屋で発表会をしました。
 「カニさん!」「チョッキーン!」
 その元気の良いこと!本当に緊張していないんだ。凄い!時間も忘れ、私も一緒に楽しんでいると、プルルと内線が鳴りました。
 「電話だ!皆の番だよ!用意しなきゃ!」「齋藤先生何だって?」「ちょっと静かにして下さいだって…」
 少し元気過ぎたようです。皆で大笑いしてしまいました。いつの間にか、私の緊張も、どこかへ吹っ飛んでいました。
 2度目の内線です。さぁ、今度こそ、いよいよ出番です。
 「とにかく思いっ切り楽しもう!今までで最高のさるかにを見てもらってびっくりさせちゃおう!」
 それだけを伝え講堂に向かいました。
 本番でも、いつもと変わらない、いえ、それ以上の笑顔と元気で思いっ切り楽しんでくれましたね。
 ピアノに向かいながら、入園したばかりの涙一杯だった皆の姿を思い出し、大きな成長が感じられ、目頭が熱くなりました。
 部屋に帰った皆の顔は、清々しく、生き生きとしていました。本当に最高のさるかにだったよ。格好良かったよ。ありがとう!
 まだまだ発表会は続きます。ミニミニもお楽しみに!


■ぶどう
 「エレクトン側さん、ピアノ側さん、分かれるよ!」と、ある日、元気の良い声が自由時間に、部屋一杯に響きました。
 その声を聞いた、殆どの子ども達が素早く集まり、エレクトーン側とピアノ側に分かれて、何と子ども達だけで発表会が始まっていたのでした!
 ピアノがなくてもメロディーを覚えている子ども達は、歌いながら動き回り、更には教師のセリフまで完璧に覚えているから、驚かされます。
 入園当初、一人一人で遊ぶことが多かった子ども達が、こんなふうに、子ども同士で声を掛け合い、自由時間に自分達だけで、生き生きと発表会するのを見ていると、成長と頼もしさを感じました。
 発表会当日が最終日なので、皆が発表会を覚えているのか、少し不安でした。
 しかし「おはよう」と自信に溢れた表情と皆の笑顔を見るとその不安もすぐなくなりました。
 「講堂に行く前に発表会少しして行く?」と聞くと、「するする!」と元気な声で答えてくれ、待ち遠しかったのが伝わって来ました。いつもよりも大きな掛け声と気持ちを込めて歌う姿に、パワーをもらいました。
 遂に出番がやって来ました。
 元気良く入場してくれるか、心配しながら、「スイミー」「はーい!」で幕が開きました。全く心配する必要はなかったようです。元気一杯、スイミーになり、泳いで出て来てくれ、とても嬉しかったです。
 歌は少し緊張していたのか声がいつもより小さかったのですが、まぐろと戦う場面や魚釣りをする場面では、いつもより力強い声で驚きました。
 ミニミニ発表会では、魚釣りの場面の役を替えて行うので、是非楽しみにしていて下さい。
 発表会前参観のときは、スイミーだけだった壁面も、今では、カニやクラゲの仲間が増え更に可愛くなりました。
 発表会をテーマにした壁面製作だったので、子ども達も終始ニコニコの笑顔で作ってくれました。
 「カニさん、ヘビさん、クラゲさん」と発表会の歌を歌いながら作る子もいれば、「チョキ、チョキ、チョキ」と言いながら、笑顔一杯に作ってくれる子もいました。
 出来たのを、カニ歩きさせたり、クラゲのダンスをして持って来てくれたりと思わず微笑んでしまいました。
 次の日、飾ってある、自分達のカニやクラゲを探し、「これ僕が作ってんで!」「私の見て!」と子ども同士で自慢大会が始まり、とても可愛かったです。
 壁面を見ているだけで、子ども達の発表が目に浮かびます。
 みんなと一緒に遊べるのも、あと1ヶ月を切りました。残り少ない日々を楽しく過ごしたいです。


■みかん
 
「名前は?」「ピノキオ!」と、幕の中から聞こえてきたいつもの元気一杯の子ども達の声に背中を押され、発表会の幕開けです。
 本番前の緊張感や不安を吹き飛ばし、楽しみへと変えてくれた素敵な声でした。
 幕が開いて立ち上がったときの子ども達の表情は様々でとても可愛かったです。
 見たこともない大勢のお客さんに驚いている子、見てもらえる喜びに笑顔になる子、急に緊張した様子の子など、ポーズをする部分では、殆どの子ども達が客席に釘付けで、立ったままでした。
 「あれ、坂から下に降りてこられるかな?」と、一瞬不安になりましたが、ピアノの音には耳を傾けてくれていました。坂を降りながら覚悟を決めてくれたのか、その後は表情も和らぎピノキオになりきっていました。恥ずかしさが抜けきれず、いつも通りの様子ではない部分もあったのですが、それがまた年少さんの可愛いところです。
 部屋に戻ると、「お母さん見つけたー」「一杯の人が見ててびっくりした」「すごく楽しかった。またやりたい」など、色々な感想が暫く飛び交っていました。
 黒板に大きな花丸を書くと、自然と拍手が沸き上がり、その拍手はだんだん大きくなりました。そのときのやり遂げて自信に満ち溢れた表情は、本当に眩しいくらい輝いていました。私の心の中のアルバムの、一番のお気に入りのページになりそうです。
 「次は、ジェットコースターの順番を変えよう」「ピノキオとキツネと交代したい」と、発表会当日は、通過点でしかないことを子ども達が再確認させてくれました。
 発表会までには色々なことがありました。なかなか活動に入れず戸惑う子もいました。私自身が悩んでしまい、前へ進めずに行き詰まってしまうこともありました。でも、子ども達のパワーをもらい、支えられここまでこれました。
 「クジラさん怖くないから大丈夫だよ」「一緒に手を繋ごう」などと、子ども同士での支え合いに目頭が熱くなったことも、一度や二度ではありません。
 ふと、入園式からの日々を振り返り、大きく成長したと強く感じることが多くなりました。
 自分のことで精一杯の子ども達が、周りの友達の様子や表情を見て声を掛けてあげられるようになったのです。
 嬉しいと思う反面、一緒に過ごせる残り少ない時間が愛おしくてたまりません。
 とはいえ、ミニミニ発表会、ミニリレー大会など、まだイベントも残っています。寂しさははねのけて、みかん組らしく元気一杯の充実した日々を過ごしたいです。
 最後になりましたが、発表会当日は温かく見守っていただき、沢山の拍手をありがとうございました。


■ばなな
 発表会当日には、沢山の温かい拍手をありがとうございました。
 発表会が始まる前は、「8匹わんちゃん!」と子ども達の返答に突っ込みをいれたこともありましたが、今では発表会をしない日があると、「何で今日発表会しないの?」「明日はする?」と毎日楽しみにしてくれているのだな、と思うと嬉しく、子ども達の前向きな姿勢に毎日支えられていた気がします。
 部屋での発表会では、いつも101匹わんちゃんの人形がお客です。
 「皆がかっこ良いから見に来てくれたよ」と話をすると、「ヤッター!」「かっこ良い所見せる」といつも以上に張り切って活動する純粋な子ども達は本当に可愛かったです。
 当日は、元気な28匹の子犬全員が揃ってくれました。
 「今日は、クルエラ来る?」「お客さんいっぱいいるかな?」「ドキドキするね」と少し緊張気味でしたが、部屋でピアノを弾き始めると、普段の元気な子犬達がすぐに戻ってきました。
 1度始まると子犬達の勢いはもう止まりません。
 「ヤー!ヤー!」と今にも講堂に、皆の声が聞こえてしまうのではないか?と思うほど、部屋中に元気な声が響き渡り、講堂に行くまでに力尽きてしまったらどうしようと、別の不安が脳裏をよぎりました。
 しかし、発表の冒頭の、「わんちゃん」「はーい!」の掛け声を聞いた瞬間、不安は一気に吹っ切れました。
 見ていただいた通り、一つ一つの表現や動きを元気に、且つ丁寧で真剣な表情を見られ、最高!と思わず叫びそうになりました。
 一瞬でも不安を感じてしまったことを、子ども達に謝らなければなりません。ごめんね。そして、感動を与えてくれた皆に感謝しています。ありがとう!
 部屋に戻ると、「かっこ良かった?」「クルエラ倒したよ」と自分達の出来が気になったようで、質問攻めです。
 「とってもかっこ良かった!」と両手を広げると、皆が溢れんばかりの笑顔で、私達の胸に飛び込んで来てくれ、愛おしくて仕方なかったです。
 こんなふうに皆で喜んだり、悲しんだり、声を上げて笑い合う時間も残り僅かです。このままずっと一緒にいたい!と思うほど、大好きなクラスになりました。
 これからも、1日1日を大切に1つでも多くの思い出を残していきたいです。ミニミニ発表会にミニリレー大会もあります。お母さん方も残り少ないばなな組を思う存分楽しんで下さい!


■いちご
 子ども達は、毎日アリスをするのをとても楽しみにしてくれています。
 「山台(講堂の両サイドのベンチのようなものです。クラスでは積木を代用)を持って来て」と言うと、「アリスするの?」「やったー」と大喜びです。
 その後、必ずといっていいほど、「明日、お母さん見に来る日?」と聞いてきます。早く見て欲しくて仕方がないようです。
 そして楽しみに待っていた発表会当日は、やっとお母さん方に見てもらえる嬉しさから、登園のときから子ども達のテンションは高く、「今日、お父さんと一緒に来た」「おじいちゃん、おばあちゃんも見に来てくれた」と言いながら、飛び跳ねて、落ち着かない様子でした。
 発表会前参観では、10名近くが欠席し、その週はずっと10名前後が欠席し、寂しかったですが、今日は、29名全員で「不思議の国のアリス」が出来て良かったです。
 順番を待っているつばめ組の部屋では、気持ちが最高潮と言わんばかりに、大きい声を出している子が多く、「講堂に行ったら大きい声を出していいから、今は、とっておいてね」と言って静め、入場するカーテンの後ろでは、「早くしたいよ〜」と、みんなの目はキラキラ輝き、やる気満々が伝わってきました。しかし、私の中には、恥ずかしがり屋、緊張する子が多い、いちご組なので、以前の音楽参観のときのように、固まってしまうのでは、と心配が過ぎりました。
 でも、みんなが勢いよく入場し、元気一杯の、「急げ、急げ」の声を聞き、すぐにその心配は飛んでいきました。
 今日のアリスは最高でした!今まで一番元気があり、とても可愛かったです。
 子ども達も「やったー」という満足感があったようで、部屋へ戻るまで、「楽しかった」と言いながら、エンディングの歌を歌っていました。
 坂を転がり下りるとき、上靴が脱げたり、足が当たって頭やほっぺたを蹴られて、赤くなった子もいましたが、みんなが最後までやり切り、感心しました。
 こんなにも感動をくれた子ども達に、感謝、感謝です。ありがとう。
 また、沢山の温かい拍手をありがとうございました。
 壁面製作では、アリス、トランプの兵隊、不思議な花を作りました。
 「先生、本を見てもいい?」と言って、本を見て、「兵隊は槍を持ってる」「アリスはエプロンつけてる」「青い服着てるよ」と友達と話をしながら作っていました。どうぞ、部屋の可愛いアリス達にも会いに来て下さいね。
 子ども達と一緒に過ごせる日もあと少しとなってきました。1日1日を大切に、1つでも多く思い出を作りたいです。


■めろん
 
元気一杯の、「バンビ」可愛かったでしょうか?温かい拍手、ありがとうございました。
  発表会は、2日目だったので、どうなるか心配していましたが当日、子ども達は、元気に、「おはよー」「オオカミやっつけな」「お休みの日、バンビ、お家でしたよ」と私の不安を一気に解消してくれました。少し緊張して登園して来る子もいましたが、それがとても可愛らしかったです。
 部屋にいる子ども達は、「まだ発表会じゃないの?」「いつ講堂行くの?」と、やる気満々です。
 出番までに、少し時間があったので、発表会をしました。
 「どこの場面をする?」と聞くと、すぐに、「うさぎの所」「火事」「オオカミ」と沢山の場面が飛び交います。部屋でも気合いが入り、大きな声が部屋を響き渡っていました。
 「バンビ」「はーい」と、元気に登場してくれたバンビは、様々な表情や表現で楽しましてくれました。しっかりと可愛いバンビを目に焼き付けてもらえたでしょうか。
 発表会が終わり部屋に戻ると、力を全て出し切ったと言わんばかりの表情をしていました。
 「水〜」と水道の前に並んでいたり、「暑い、汗かいた」とタオルで拭く子などが沢山いました。それだけ力一杯してくれたことがとても嬉しく感動しました。
 まだまだ興奮が冷めていない皆に、「とっても格好良かったよ」と伝えると大喜びで、「やった〜」「よっしゃ」と手を上げて飛び跳ねたりと部屋が、笑顔で一杯になりました。
 子ども達と約束していたことがありました。それは、バンビの絵です。
 いつも格好良いバンビをしてくれるので、黒板にバンビを描いて、黒板には沢山のバンビがいます。
 だから発表会当日には、今までで1番大きなバンビを描くと、「やったー、大きいバンビや」と喜んでくれました。そんな無邪気な子ども達を見ながら、心から微笑ましくなりました。
 4月当初は、泣いている子が多かったとは、今では思えません。1年近くでこんな成長するんだと、改めて実感させられました。
 次は、ミニミニ発表会があると伝えると笑顔で喜んでくれ、「頑張るぞ」の掛け声に、「えいえいおー!」と元気一杯で今から待ち遠しいです。ミニミニ発表会では、役を替えて行うので、是非楽しみにしていて下さい。
 最近は、皆と一緒に過ごせるのも、あと少しなんだと考えてしまいます。これからまだまだ一緒にいれると思っていたのに、月日が経っていくのは早いものですね。
 残り1ヶ月、元気で笑顔一杯で過ごしていきたいです。